月別アーカイブ: 2016年7月

ウナギ食いたし

朝6時。気温23度。晴れ。日中最高気温31度。温度差だけで判断すると朝は涼し目だったように感じるが、夕方から深夜の気温はあまり変化なく。

寝苦しい夜を過ごしたであろう鶏は「・・・アッツー・・・タマゴ産めってぇ?」と、かなり不機嫌な産卵状態。自分も体力的にシンドイ季節。十分な配慮ができない自分に反省しながら、鶏やFさん、Iさんに頭を下げる。

朝早出のFさんが「いぇいぇ。ええですよぉ」と採卵を前倒しに進めくれる。Iさんは臨時納品の梱包資材をトラックを誘導しながら入庫しれくれた。

それほどの待遇をやっている自信は常にない。だからと言って、私には、それほどの指導力はないし。落ち込むことも多い。

ただ、二人の仕事ぶりを見ると、突き上げらるような感覚を常に感じる。本当の意味での「自発的協力関係」を気付いていけたたならぁと思う。

ホトホト疲れながらの折り返し配達で伺った「柳屋」では、カウンターに並んだ予約分の「鰻」がビッシリ。

若大将の目利きと腕が良いからと評判らしい。

鰻の前で、思い切り深呼吸した。土用の丑の日。

あだちまさし。

朝の会話

朝6時。気温23度。晴れ。最高気温31度。6時ごろから鶏舎を一回りするが餌の摂取量が極端に少なく携帯で昨夜の気温を確認する。

木曜日23時が24度前後、それから徐々に気温は下がるものの翌朝5時の22度が最低気温。それから一日、気温は上昇するのである。私たちは扇風機やクーラーを使い涼をとって体の疲れを癒すことができるが、鶏にそこまで十分なサービスができない。後ろめたさを感じならがら作業の手を進めた。

今日は雛の入荷。6時前に四トントラックで、いつもの「茶髪、ロンゲ、ピアス、30歳」の彼が配達。自分の仕事を進めたかったので、特に会話はなし。採卵途中に受領証にサインする際、一羽の死鶏が目に留まり少し立場話。まだ太陽が昇りきっていない時間の移動だが、かなり神経を使う仕事。私も同じような経験があるから、彼を責める気持ちは更々ないし、小さな鶏の命とはいえ、この瞬間が当たり前になってはいけない。一人の努力や工夫だけでは、どうにもならないが、彼もまた命を預かる仕事をしているのである。

初めて出会ったころの彼はガードはかなり高かったように覚えている。私も彼の独特の風貌に気持ちは「やや引き気味」。納品は朝の忙しい時間帯であるし「まぁまぁどうぞ」とお茶を出すような間柄でもなかった。

社長さまとは年に数回、顔を会わせるが色々と苦労話を聞かせて頂き、思うように人材を確保できない心痛をよく耳にしている。

そんな社長さまとの話しが頭の隅にあり、何年前からだったか憶えていないが、配達の彼に対して私の方から少し心のガードを下げた。

彼の仕事は孵化したヒヨコを産卵直前まで育てる「育雛会社(イクスウ)」。私は仕入れた鶏の能力を最大限に発揮してもらいタマゴを販売する養鶏農家。立場は違うものの、育雛段階における作業の苦労を聞かせてもらうと自分のためになることが多い。

彼からネホリハホリ聞いて、仕入れ業者の揚げ足を取ろうという会話ではなく。仕事内容は違うが同じ「鶏の命」を大事にする仕事、ブッキラボウだが彼が10年以上経験してきた仕事の重みはかなりある。

最近は、従業員としての彼の立ち位置や業務などを聞き、自分の立場に置き換えて感じることが多い。

日頃、農園で働くFさんやIさんが、どんなことを考え仕事をしているだろう想像しながら耳を傾ける。

わずかな会話だが、私からは同じ質問をしたことは一度もない。流暢ではないが彼の受け答えの中で、生き物を生業とする職業に従事する彼から聞く話は一つ一つ身に浸みるから。

好きで就職した会社ではないと推察するが、10年以上、鶏と向き合い仕事を続ける彼の心は、私の気持ち近いものを感じる。

凄惨な事件のニュースが連日報道される中、一羽の死鶏を挟んでの朝の会話。彼の「心」は大丈夫と改めて安堵した。

あだちまさし

雨降らず

朝6時。気温23度。晴れ。最高気温31度。7時ごろから採卵を少し手伝い、Fさんにあとは任せ自分の仕事を始める。

東側の空にはグレーの雲がかかっており、荒滝山付近から冷たい風が吹いてくる。割と近くで雨が降っているはずである。

梅雨明け以降、降雨なく、井戸の水量が日に日に減少している。今朝は井戸の周辺へ散水する予定を数日前からたてていたが、炎天下で川から井戸までホースを張る作業も、ポンプを設置する作業も少々しんどい。

一番、気が重かったのは川まで下る道が雑草と蔓で覆われしまっているから草刈から始めなければならない。一週間前から、減っていく水量と天気予報を睨めっこ。

梅雨時期、あれだけ鬱陶しかった雨が非常に恋しい数日間。降る気配なく思い切って作業に取り掛かる。汗だくになりながら仕度をし、ポンプのエンジンをかけたのは8時前。本日6時間の井戸周辺への散水。日中はわずかな水位上昇だったが地面に含まれた川の水が井戸へ浸透し、明日の朝には、もう少し上昇してくれることを祈る。

10時前、久しぶりに作業場のラジオをつけた。今日は高校野球山口県大会の決勝戦。「宇部鴻城」対「高川学園」。宇部鴻城には気になる人が二人いる。二人とも長男の同級生。

ひとりは、8番キャッチャーの選手。試合の序盤、自慢の強肩で盗塁を阻止し、相手チームのチャンスの芽を摘んだ。思わず鳥肌がたつ。

もうひとりは、野球部の女子マネージャー。家が近所で小学生の頃から子供の幼馴染。スポーツ万能の優等生で、その上、かなりの「べっぴん」さんである。

高校進学時、彼女なら多くの選択肢があっただろうが、野球部のマネージャーになるために宇部鴻城へ入学したと聞いた。中学校卒業後、一度も姿を見たことはないが朝早くから夜遅くまで選手のサポートを一生懸命されていると思う。

試合は七回まで同点の接戦。なかなか聞きごたえがある良いゲームだったが、八回裏、高川学園の猛攻で宇部鴻城は力尽き、残念ながら甲子園への切符を手にすることは叶わなかった。

キャッチャーもマネージャーも2年生。高校生活折り返し地点である。この大会、出場機会はなかったが、控えピッチャーも長男の中学時代のクラスメイト。あと少しの間、農園から応援するのが楽しみ。

おじさんも暑さに負けず顔晴ります。今日も一日ありがとうございます。

あだちまさし

鶏は一日に二個産めない

朝6時。気温21度。晴れ。最高気温31度。ジリジリと焼きつくような日差しだったが、Fさんに採卵をお願いして配達に出させてもらう。

クーラーを付けた車内の温度も上がり気味なので、炎天下のなか農園で作業するみんなは大変だろうと想像しながらの配達。

朝9時すぎ、遅めの朝食と早めの昼食をかねて木陰で「おにぎらず」を頬張る。小野田市内中心部に入ると息つく暇がなくなるので、睡魔と空腹が襲ってくる前の「腹ごしらえ」

10時ごろ配達に伺う酒屋さんでは、ギフト商品の包装作業で大忙し。お得意さまからのご注文で、かれこれ20年以上のお付き合いなると聞かせていただいた。

私も以前の仕事でギフト商品を扱ったことがあるので、店頭に並べられた包装前の商品を拝見し、作業を大変だろうが、何となく売り上げを頭の中に広げた電卓で弾いてみる。

私たちのタマゴもギフトでお使いいただくことが度々あるが、お中元やお歳暮の時期「ご予約承ります」と大きく宣伝したことはない。ギフト売り上げを経験したことはあるが、鶏に「お中元シーズン、たくさんご予約いただいてますから、今日は特別に2個産んで下さい」とは言えないのである。特に高温が続く時期、在庫を増やしてスポット注文を待つのは得策ではないと思う。この時期に余剰卵を持ちたくないのは「新鮮たまご」を売りにする生産者なら、誰でも考えることだろう。

ギフト商品をタマゴのお客さまに広告を入れ、案内させていただく作業は、それほど難しい作業ではない。酒屋の店内で言い訳ばかりしていた自分が少々恥ずかしくなり。

10年以上も今の仕事をしていながら。

出来ない理由を探すより、出来る方法を探す方が楽しいの分かっているつもりの私。何かと自分に甘い姿勢を酒屋さんとの会話で感じることができた。

諦めてはいけない課題であると運転しながら考えた。さぁ、これから。

今日も一日ありがとうございます。

あだちまさし

自分の仕事

朝6時。気温20度。晴れのような曇り。最高気温29度。曇りまでいかないが、たくさんの雲が日差しを遮ってくれてので汗するものの痺れるような暑さはなし。

7時前から採卵をはじめる。Fさんは私より先に給餌中だったので、挨拶とともに早朝からの仕事を労い自分の仕事を淡々とこなす。

産卵ピークに到達しつつ若い鶏のクセが良くないのが気がかり。「立ち入り禁止」とか看板を立てても鶏には効き目がなく、ここ数日頭を痛めていた。何か細工を加えた方が良いが、場当たり的な処置を何度もFさんにお願いするわけにもいかず、自分の目で産卵状況を観察してきた。

鶏舎にテコ入れする時、自分で思い描いたような結果が出ることは少ない。後々、反省を踏まえての学習に繋がることも多いが、道路標識のように鶏を誘導できずに、その結果、細工を施した人、支持を出した私との間に歪みができることが少なくない。

明らかに手を打たなくてはいけない事情があったが、数日、どんな手段を使うか考えていた。私が指示し、Fさんが修正を施し、仮に結果が出なかった場合、言葉がわからない鶏を責めることができない人が心痛するのである。

ここ一年半ぐらい、Fさんとの会話を深める中で、この「心痛」に直面する場面が何度もあった。それと同時に私とは次元は違うものの、彼が「自分の仕事」として農園の営みを感じてくれいることもよく理解できた。

彼が農園で働き出した当初、同じような作業のお願いをして、思い通りの結果が出ていない場面に遭遇すると、癇癪を起こし、休日中の彼を電話で呼び出したことが何度かある。

比較的作業が多い日曜日。仕事の段取りは前日に済ませていた。「ボクがやりますからいいですよ」と言うので彼に甘えた。

彼の作業を確認して終われば良かったが、その余裕がなく農園を後にした。

明日の朝に起こることすべては私の責任になってくる。

今日も一日ありがとうございます。

あだちまさし

農夫の一日

朝6時。気温20度。晴れ。最高気温30度。Iさん休み。

6時半からFさんは配餌車にて給餌。私は採卵。飼料タンクのモーター音。作業者のディーゼルエンジン音。ちょうど同じくらいの時間から隣接する畑の地主さんがトラクターにて荒鋤き。川からこっちは3人しか人間はいないが賑やかで慌しい一日のはじまり。

8時ごろ給餌が終わり、私も採卵の手を止めた。ここまで鶏舎を一周半で約三分の一集卵。Iさん分を二人で前倒しに作業。俗に言う「朝飯まえの仕事」。少し休憩を入れ汗を拭いて仕切りなおし。ここから本格的に土曜日業務のスタート。Fさんは残りの採卵。私はタマゴの選別、検品、パック詰め。いつもより私の作業は押し気味になるだろうと予想していたが、この時間になって、今夜が花火大会だったことを思い出す。

直売所の開店時間までに、予約頂いているタマゴと午前中配達分がパック詰めできるか心配だったが、夕方、市内中心部が混雑しそうなので回避したかった。少し遠回りしてでも午前便で市内中心部の配達分も済ませておきたかったので自分のお尻に強めの鞭を入れて作業。

10時半、予定していた数量のパック詰めを終え、直売所販売分、配達分を車に積み込み出発。途中、木陰に車を止めて、家内が作ってくれた弁当を胃袋に詰め込む。自宅に着くころには計画どおりの睡魔に襲われ、荷物も降ろさず扇風機をつけて15分仮眠。家内は開店時間前に自宅付近のパン屋さん、飲食店など配達し、私は市内中心部のお客さまを経由して農園へ戻る。日頃、休日のランチタイムの様子を知らないので、夏休みも重なった交通量の多さで思い通りに行かなかったが、15分の仮眠で心のゆとりは保てた。

13時すぎに農園へ戻る。予想どおり、私の作業場所周辺は検査前タマゴが、いつもの土曜日より高く積んである。今週はじめから先月末に入荷した雛が本格的に産卵をはじめたため選別作業に少々時間がかかりそうな気がしたが、もう一度、自分のお尻に鞭を入れ作業に取り掛かった。14時半ごろFさん帰宅時に「近所の方に差し上げて下さい」と、規格外の初産みタマゴを少し多めに預けた。日差し厳しい早朝からの仕事だったと思うが、気持ち笑顔で農園を後にし安堵する。この時間くらいから想定外の空腹に襲われ、作業のペースが落ちる。途中、塩飴を口に入れたり、腰掛けてアイスを食べてみたり。16時すぎにやっとの思いでパック詰めを終えた。

運動場には、まだまだ遊び足りない鶏がたくさんいたが鶏舎に追い込む。若い群は、まだまだ私の表情を読み取ることが出来ないので、手こずりながら。私の事情を説明しながら箒でお尻を叩き若い鶏にご理解いただく。カンベン。

17時前、午後配達分と本日発送するタマゴを車に積み込み出発。時計と睨めっこしながら焦る気持ちをおさえてハンドルを握る。車内は「ワレモノ注意」の鶏さんと私たちで一日汗水流したタマゴ満載だから。18時の集荷に間に合わず、最終受付19時前の営業所に持ち込むことになる。

自宅では中3長女が花火大会に出掛けるため浴衣に着替え中。彼女の出発時間は18時半。時計と睨めっこしながら荷物のリミットが気になる私。出発前に長女の同級生で双子の「ゆず、ひな」が浴衣で来店。私はかなり胸踊り、彼女たちの会話に割り込むものの、店内には未出荷の荷物あり。家内を急かし、何とか今日の出荷を終えることができた。

新鮮、安全をモットーに産みたてタマゴをお届けする農夫の一日。

今日も一日ありがとうございました。

あだちまさし

蝉の鳴き声

朝6時。気温20度。晴れ。仕事を前倒しに済ませたかったので、早めに家を出る。自宅から農園まで、やや東向きに走るため、山の間を抜ける道は窓を開けて走ると夜の冷気が残りクーラーより心地良し。もしろ今朝は寒いぐらいだった。

ゆっくり上がる太陽光線が直接あたると夏本番の感じがするが、朝夕の影の長さを見ると季節は確実に秋に向かっていると実感する。

6時ごろから鶏舎をひと周り採卵。餌の減り具合も良好。死鶏なし。卵殻のツヤよく、集卵数は少なめだったが安心した。その後、パック詰め。8時すぎに蝉の大合唱と、時折、クルクル回る風見鶏を見ながら配達へ出発した。

金曜日配達に伺うお宅に少し気になる小さい男の子がいる。

チャイムを押すと男の子が思い切りの笑顔で飛んでくるが、彼が想像していた来客と違ったようで、私の顔を見るとお爺ちゃんやお婆ちゃんの後から、やりとりを曇った顔で伺っている。

向かいの奥さまとも仲良しで楽しそうのおしゃべりし、奥のお宅の、私にはまったく懐かない番犬も彼にはシッポを振る。

配達に伺うようになって一年以上になる。毎回ではないが、かなりの頻度で顔を会わす可愛らしい男の子。年頃は小学生前ぐらいと想像していた。

大人嫌いとは逆で「お話しようよ」といった表情で私を見るが、何となく話かけることを躊躇する。男の子のお宅へ伺う時間は午前10時前後。

事情を尋ねたことは一度もないが、平日のこの時間帯に私が愛想よく言葉かけするのは、何となくだが「躊躇」するのである。

先月の集金の際、お爺ちゃんが財布を捜しに奥に入られた時間、玄関先で彼と二人きりになった。「お話しようよ」の表情で見つめられ、しばらく辛抱していたが間が持たず私の方から年齢をきいた。

元気よく右手を開きながら「5才!」。まだまだ聞いてという表情だったが、私からは「へぇー」とだけ答える。子供嫌いではないが「お話しようよ」の彼にとって、私は話し相手として適切ではないと、何とな「躊躇」するある。

今日伺った際、玄関先に近づくと庭の方から蝉の鳴き声が聞こえ、農園を出発する時のそれより大きな鳴き声が少々気になりながらチャイムを押したところ、庭先から蝉がたくさん入ったカゴを抱えた男の子が「蝉とったよ!!」と走って来た。

汗で髪の毛が濡れ、初めて見る5才の思い切りの笑顔に押されて、「すごいねぇ」と表情がゆるんだ。庭に目をやると、お爺ちゃんがランニング姿で汗を拭いておられる。二つ三つ言葉かけをするが「もっとお話しようよ」の彼に、やはり「躊躇」するのである。

5才の夏を思い切り満喫してほしいなぁと感じながらお宅を後にする。

今日も一日ありがとうございました。

あだちまさし

みつくん

朝6時。気温20度。晴れ。Iさん休み。先週から2人に連休をあたえるため変則的に仕事を進めている。休みを決めたのは私だったが、ヒナの受け入れ準備で鶏舎を清掃する作業が頭の予定から抜けており、休みを決めた数日後から頭を痛めていた。

2日前、Fさんに本日、木曜日の予定を口頭で伝えていたが、昨日の夕方、彼からのショートメールを見ると、私が伝えたかったことと、彼が受け取ったことの間に少し違いがあるようだったの「後ほどメールします」で一旦終わり。

配達を終え、自宅に帰ってからパソコンで木曜日の仕事内容を順序立て、彼の仕事、Yさんの仕事、私の仕事を時間に添って、箇条書きにして、一旦私の携帯にメールで送信しコピー。カット&ペーストを繰り返しながら12通のショートメールで彼に伝えた。

時間のかかる作業で少々疲れたが「これでわかったか?」的な表現にならないよう、できるだけ細かく親切に文章を作ったつもりだったので、彼から返信があり、良いやりとりが2回ほど出来ていたので安心していた。

自分の思い描いたように一日の仕事は進んで行ったが、昼前にヒヨコ屋さんが来園。九州の業者さん、年に数回いつもアポなし。同業者同士、横の繋がりがない業界なので、九州各地を営業され、豊富な知識で勉強させていただくことが多いので作業の手をとめ、木陰で立ち話。様々な養鶏場を営業されるので羽数、飼育方法、販売方法をちょっと話すだけで状況を把握される。10年以上の付き合いになるスキンヘッドSさん。アポなし訪問ではあるが、時間はいつもキッチリお昼前。私の仕事内容を把握されている。

昼休みに消化する仕事が手元に多く残っていたが、せっかくの機会なので30分ほど意見交換させていただいた。少々収穫あり。

予定より30分遅れで配達に出発し、少しお客さまにご迷惑をおかけしたが、その都度、頭を下げお詫びしながらの夕方の配達終了18時半。

昨晩、風呂上りにTシャツ、パンツ姿で車でゴソゴソしていたところ「だっちん久しぶり」の声。道を挟んで斜め迎いの同級生「みつくん」

「久しぶりじゃねぇ。飲もうか?」「ええねぇ〜」で、お互い冷蔵庫からビールを持ち寄り、私の車の後部ハッチドアを開け、荷台に並んで座り乾杯。わたしは「クリアアサヒ」2本。彼は「これぐらい贅沢させてもらわんにゃぁ」と言いながら「プレモル」2本。年下の奥さんは看護士。小学生の息子2人。

10年ぐらい前、彼の結婚を機に漁業を営むご両親が新築された。両親どちらかが倒れると漁に出ることが出来ないので、漁業を廃業したら同居する約束になっていると聞いている。

同級生と行っても「大親友」というわけでもなく、中学校を卒業してからは、ここで出会うまで話をした記憶はないが、小学校3年は同じクラスで、西光寺近くから奥に入った細い路地の先にある実家はよく遊びに行った思い出がある。

夕方から漁に出られる父親が就寝中なので、家ではいつもヒソヒソ話。居間には両親が貯金箱代わりに小銭を貯めていた「特大のウイスキーレッド」の空き瓶があり、静かにフタを開け、硬貨の音をさせないよう二人でズッシリ重い瓶を傾け、お小遣いを頂戴するのが日課。その作業が終わると近くの小店で「かっぱえびせん」を買って、床波漁港あたりでよく遊んだ仲ではある。

ただ、私にとって「みつくん」が特別なのは、5年前の正月に2日間アルバイトで農園で作業をしてくれ、今でも「何かあったら呼んでねぇ」と声をかけてくる大変ありがたい隣人で同級生。

ビールを飲みながら地元の「知っちょる話」を聞かせてもらい、2本目をプッシュとしたあたりから、ご両親の漁業の話を聞く。漁獲高が下がっているのはよく耳にするが漁師の息子が語る話は説得力がある。穴子を捕りに宮島近くまで行きよるとか、百個落とした蛸壺に蛸が一匹しか入らんかったとか。捕った魚は出来るだけ高値で買い取ってくれる市場に持っていくとか。70歳すぎのご両親の姿を思い浮かべる。

年のせいで最近では遠くまで船を出さないらしいが、彼が小学生の頃は、大分国東半島あたりは庭みたいだったらしく。彼も鰆を捕りに、一緒に船に乗ったことがよくあったらしい。お互い酒も入り、しゃべる方も声が大きめになり「それがねぇ、すごいんちゃぁ」を連発しはじめ、聞く私も「それで、それで」と鼻息が荒くなる。

大分の漁場へ向かう途中、漁船の上にはカモメが飛び回り、イルカの大群にあったり、手が届きそうなところでスナメリが泳いだりするんちゃぁと「すごいんちゃぁ話」がマックスまで盛り上がり、もう一本と思案中に彼の家が真っ暗になったのでお開き。

良い気分転換させていただきました。ありがとう。

あだちまさし

熱帯夜が来る前に

朝6時。気温21度。晴れ。最高気温は30度近くまで上がった。

人間は先入観が先に立つからか「梅雨明けしました」と胸を張って気象庁が発表すると日差しはきつく、降り注ぐ太陽光線は暑いが木陰などで風にあたるとサラッと気持ちよく感じる。

きちんと観測していないので分からないが、2〜3日ぐらい前から同じような風を受けていたような感じはする。先入観というのは不思議なものである。

8時前からFさんが休日出勤で草刈りをしたいと申し出を受けていた。膝丈以上に伸びた気になる場所あり「自分の草刈り機を使いたい」と頼まれたので、出勤の手当てとは別に、ポケットマネーで消耗品代として千円ほど渡していた。

昨年、彼が自宅周辺を草刈りするために購入した背負い式草刈り機は7万円。私が使っている草刈り機よりグレードが随分上である。

今日のような場所を草刈りする場合、高級車のアクセルをちょっと踏み快適に運転するのと、軽自動車のアクセルを力一杯踏んで、肩こりを辛抱しながらハンドルを力一杯握り運転するぐらいの違いがあると思う。

7時前、麦茶、夏みかんサイダー、栄養ドリンク、あと「塩飴」を保冷剤とともにクーラーに入れ、彼がいつも車を止める農園入口の大きな柿の老木の木陰に置き、採卵を始める。

二週間前から産卵が下がり出し、鶏の状況を確認しながら、通常より時間をかけて鶏舎を回りはじめた。日中の気温は上昇するが、朝晩は涼しいので、今の内に体力を回復できるよう朝の照明点灯時間も5日前から少し早めた。

少しずつ好転の手応えは感じるが、まだまだ心配なことも多く、「熱帯夜」の予報前には、何とか思い描くような生産に戻って欲しいと祈りながら採卵。

8時すぎから草刈り機のエンジンが聞こえはじめ、9時前にはIさんがタンクから餌配車に落とす音。時折、近くですれ違った時に挨拶や言葉かけをしたが、採卵をする私も全身汗まみれ。

10時すぎ、だいたいノルマ範囲の草刈り終えていたFさんに「終わってええよ」と2度ほど促したが、あと少しと「あと少しの範囲」を草刈りして終了。約2時間。

今日は、ピンクのチェック柄の半そでボタンダウンシャツで通勤してきたIさん。この時間にはシャツに汗がにじみ、背中周りのピンク色具合が変化している。

ひと通りの作業を終え、15時に配達へ出掛ける。

昨日は祝日だったので、変則的な配達で毎週月曜日、金曜日に伺う「田中青果さま」に最後の配達17時30分。ここにお届けしたタマゴが野菜と一緒に明日の早朝からトラック運送され、下関大丸の開店前に生鮮食品売り場「フレッシュワンさま」に陳列されることになる。

今日も一日ありがとうございました。

あだちまさし

ご縁と絆に恵まれた実り豊かな日々を偲んで…

朝6時。気温20度。晴れ。本日、梅雨明け。

島原の「すし吉」さんの葬儀は今日である。会葬は13時30分から。島原では葬儀の前に火葬を済ませることが多いと聞いている。昨年、義父の時もそうだった。

仕事をしながら何度も時計に目をやり思いを馳せる。寂しい気持ちや、お別れの葬儀に参列できず気持ちがザワザワする。

何度も心の中で手を合わせ気持ちを整えた。あちこち痛んだ体での闘病生活ではなかっただろうか。今は、その肉体から開放され色々な所を飛んで回られているのではないかと想像する。

日差しがきつい一日。風が吹き、風見鶏がカラカラ回る様子を見ながら「ここにも遊びにきて欲しいなぁ」とボンヤリ。

今、2000年「ひまわりキャンプ」の記念写真を見ている。前年の反省から一年間、いろいろな「たね蒔き」をしてきた当時の私には集大成の写真。大事な宝物である。

スタッフ、新しく増えた参加者、前年から引き続き参加しれくれた男子高校生2人。この写真を見ると元気がでる。

前年は一泊二日。その前の年は食中毒か何かの影響で中止。久しぶりの二泊三日の森岳公民館での開催だったと思う。

私が担当した2年間、参加者の皆さんが後に振り返ることができる「記念品」を持ち帰ってもらいと努力した。一年目は最後に記念のTシャツをステンシルにて製作。2年目は記念写真付きの修了証。

修了証の原本は保育士のTさんが作ってくれ、写真を貼るスペース以外には、みんなでメッセージを書けるスペースを大きく作ってもらい、参加した障害がある児童、高校生ボランティア、スタッフみんなでお互い書き込みをした。

3日目の解散前に修了証に記念写真を貼り手渡したかったので、ご縁があった「わかば写真館」の店主さんにお願いして初日の夜に撮影した100人ぐらいが納まる写真。

森岳公民館のステージにひな壇を作ってもらい撮影したが、想定外の人数と重量で、アルミのひな壇がめり込みステージを破損。ちょうどHさんが素敵な笑顔で立たれている向かって右側のステージの床に大きな穴が開いた。

修理のため「ボランティア保険」の申請などで後始末も大変だったが、楽しかったり、嬉しかった思い出のみ。

16年前の写真。当時のHさんは、今の私と同じくらいの年齢だった。

結納の際に身分不相応であるが「すし吉」に料理をお願いした。家内の実家にマスター直々料理を運んでくださり、家内のご両親に丁寧な祝いの挨拶をして下さる姿を思い出す。結納の品「鯛」はマスターが見立ててお祝いにサービスして下さった。半分スネカジリの私には支払うことができない金額だったと思うので両親が支払いをしてくれたように記憶している。一緒に料理の配達をして下さった奥様が「今日の鯛は加津佐であがった上物よ」と耳打ちして下さった。

帰宅後、義弟からHさんの香典返しが宅急便にて手元に届く。

会葬お礼のはがき。「ご縁と絆に恵まれた 実りある豊かな日々を偲んで・・・」からはじまる喪主である奥様から文章。

奥様の肉声が聞こえてくるようなハガキに家内と涙した。

マスターありがとうございました。

あだちまさし。

すし吉の助六

朝6時。気温23度。晴れ。最高気温が27度ぐらいまで上がったが、直接日差しを受けない場所での仕事は風もありやや快適。Fさんが休みなので、F井さん、Iさんに休日出勤をお願いして、11時まで採卵作業をした。

昨晩、島原でお世話になった「すし吉」のマスターHさんが他界されたとのメールを受け、深夜まであんなこと、こんなことを思い浮かべながら寂しい深酒をした。

明後日の葬儀には参列できない。初盆にも顔を出すことはできないと思うので、家内の友人で島原で生花業を営んでおられる「山口園芸さん」に電話。

この時期、どんな花がお勧めかなどは問わなかったが、私との間柄や、マスターのお人柄などをしっかり話し予算内で、私の気持ちが伝わる生花をお供えして下さるよう無理なお願いした。

普賢岳噴火で島原の方々と父の勧めで「ご縁」でき、島原市手をつなぐ育成会(障害者の親の会)が運営する小さな福祉工場に7年勤務した。縫製工場からカジュアルシャツを受け取り、アイロンプレスし、店頭に陳列してある姿にするまでが下請け作業が私たちの工場の主な仕事であった。設立した当初は半年間ぐらい同じ製品のアイロンがけ、たたみ作業だったが、消費者ニーズの多様化により、多品種少量生産の流れが加速、障害がある人と共に独立採算をモットーにしていた私たちの工場だったが加工収入を上げていくのは困難であった。

赤字補填の為に、いろいろな仕事をした。本来の「障害者が働く場」とイメージはかけ離れていたものの醤油、素麺の委託販売がギフト商品中心に徐々に売り上げを伸ばした。嫌々ながらの業務だったが私の担当。

担当した当時に醤油の配達をしていたのは「すし吉」さんとあと数件。プレス作業が終わっての内職仕事的配達だったので、お客さまに大変な甘えがあったと思う。

初めて配達に伺った際、領収証に「すし好」と誤記入し、カウンター満席のお客さま前で説教され、口数の少ない少々強面のマスターが強烈に苦手になった。

配達時間を昼の営業時間後に変え、キャッチボールさせていただくうちに少しずつ距離が縮まり、パソコンの手ほどきをして頂いたり、障害がある娘さんの話を聞かせて頂いたり。

当時、島原半島に養護学校高等部がなかったので、中学部を卒業後、娘さんの進路を案じ熱心に活動される姿には心を動かされることが多かった。

1999年、2000年と「ひまわりキャンプ」のお世話係りをさせていただいた時、ボランティアで参加してくれる高校生に提供する弁当の食べ残しが気になりマスターに相談。

夏の一番暑い時期、慣例で「のり弁当」を注文していたが、同じ予算で助六を作ってもらいたいとお願いした。今考えると無茶な話である。

苦笑いされ、となりの奥様からは「大赤字」と叱られたが快く引き受けて頂き、だだし配達は出来ないから、あなたが受け取りに来なさいという条件で。

プログラムの合間に車でお店へ受け取りに行った時の光景は今でも忘れることが出来ない。

店内はアルバイトさんも交え総動員。巻き寿司の海苔香り、いなり寿司の油揚げのツヤ、添えられる自家製のガリ。ハランで包み、その上から「すし吉」の包装紙。約80食分。

簡単な容器に詰められると想像していたので、思わずそこまでしなくてもと遠慮しながら切り出したところ

「バカ、すし吉がそんな恥ずかしいことができるか」

何も恩返しができず、長い闘病中、お見舞いに行くこともできなかった。

今はただただご冥福をお祈りするだけ。ありがとうございました。

あだちまさし

マイナスからプラス

朝6時。気温21度。晴れ。暑さをそれほど感じることなく採卵を始めたが、7時すぎにFさんと交代した時には一汗。今日は8時まで選別パック詰め作業を済ませて出発した。

昨日の夕方から今朝まで3つのウッカリミスがあった。出発時間の遅れに加え、連休前の金曜日で交通量も多め。ザワザワ、イライラした気持ちを落ち着けながら、いつものセルフスタンドへ。

価格は安いがセルフだけに多少の作業があり、気が急いている時にはタッチパネルを押しながら少々眉間にシワがよる。ひと通りのボタンにタッチし、ノズルを給油口に刺しレバーを握る。

しかしガソリンが出てくる気配がない。インターホンを押すが返答なし。渋々、管理室まで走るが従業員の気配なし。ほんの2〜3分だったが、ずいぶん長い時間一人セルフスタンドで待たされているようで、大きなため息がでる。

しばらくし、いつも太め多めの毛髪を整髪料で固めた男性がズボンのベルトを締めながらトイレから出てくる。

彼がボタンを押してくれ、ほぼ空っぽのタンクにようやく給油を始めることが出来た。私が給油する最中、彼がセルフスタンドの仕組みや、自分の仕事内容を説明してくれた。初めて知ったが彼が管理室でボタンを押さないとガソリンは出ないらしい。

客は私ひとり。二人きりのセルフスタンドなので「窓ふきましょうか?」とか「車内のゴミありませんか?」のサービストークはなし。

彼の苦労話を聞きながら、私の方がせっせとガソリンを注ぐ。何だか変な光景である。

ここのトイレがキレイで使い勝手がよく、毎週金曜日の朝は、後の道中が長いのでマッタリさせて頂くことが多い。

今朝は逆の立場になり、少々イライラしながらも彼の話をタップリ聞かせてもらった。

給油後、レシートを発行する前に給油機の画面で割引のサービスゲームが始まる。急いでいる時は、この時間もイライラする。

太め多め毛髪の彼は、このゲームの結果に敏感。当たりが出た時は「○等。おめでとうございます」と声のトーンが上がり、逆の場合は「あぁ、今日は回転数少なめですから」と自分のことのようにトーンが下がる。

私は早く出発したい気持ちでイライラしていたが、そのゲームが終わらないとレシートが出ない。

二人で画面を覗き、彼はワクワク。私はイライラ。結果は四等。リッターあたり2円引きで、今朝の給油はリッター114円。

二人きりのガソリンスタンドで「おぉぉぉ四等ぉぉ!」と大きく拍手をしながら、やや小さめガッツポーズと絶叫を聞き、イライラを通り越し思わず笑いが出た。

マイナスからプラスを感じる瞬間でした。今日も一日ありがとうございます。

あだちまさし

遅刻寸前のトウモロコシ

朝6時。気温24度。晴れ。昨日の雨が信じられないぐらいの朝日が照りつける。

今日はIさん休み。先週、鶏の出荷をして生産がやや下がっているのでFさんと交代で連休が取れるよう調整した。毎週日曜出勤のFさんが今週日曜休み連休。Iさん日曜出勤。来週の木曜日にIさん休みで、土日連休。

7時前からFさん餌入れに取り掛かり、少し遅れて私が採卵を始める。配餌車に餌が一杯になる少しの時間、Fさんが水道でバシャバシャと顔の汗を流す姿を遠くから眺める。

9時前に彼が餌入れを終えるまで、私も鶏舎を一周半採卵し車のエンジンを止めた。彼も私もこの時間までで、ほぼ一日の汗が出尽くす。ここからもう一度気合を入れて、作業場で手を動かす。

日曜日と違い、選別作業をYさんと一緒にするのでFさんより私の方が肉体的疲労は少ない。今日は、まとまった時間が取れないので防獣ネットの周りに除草剤をかけたり、照明タイマーの調整などしながら選別パック詰め。

お昼前「栽培屋さと」の佐藤さんへ電話。タマゴの注文を頂いていたので来園時間を尋ねる。彼の便で5農家さんが先月立ち上げた「情熱農家プロジェクト トッピン」の野菜を2千円分ほどお願いしていた。

先日、広島で学生時代にお世話になった先輩から「尾道ラーメン」をたくさん頂き、お礼でタマゴと一緒に発送したかったので、週の初めに佐藤さんに注文していた。

私たちの朝採りタマゴと新鮮朝採り野菜の詰め合わせ3000円(送料別)。これで食通の先輩に喜んでもらいたかったから。

佐藤さんと知り合った当時から色々とすり合わせをするものの、生産量など様々様方なクリアーしなくてはいけない問題もあり少し足踏み状態である。近い将来、このような新鮮詰め合わせでタマゴのお客さまに喜んでいきたいと、私にしては割かし真剣に考えている。

お昼前の電話で私が配達に出かける15時前には届けて欲しいとお願いしたところ「トウモロコシが届いてなくて・・・」との返事。

昨年、万農塾を卒業され埴生で新規就農されたIさんのトウモロコシ。そこまで親しい間柄ではないが同じ年で異業種からの新規就農。農家さんそれぞれに物語を持っておられる。

急かすわけにもいかず、何とか間に合って欲しいと祈るような気持ちで待っていた14時すぎ佐藤さん来園。間に合った!!

ミニトマト、トマト、きゅうり、なす、ズッキーニ、オクラ、あと遅刻寸前のトウモロコシ。

明日の朝には尾道に届く荷物。先輩とは何でも言い合える関係なので、良いところも悪いところもハッキリ評価して下さると思う。どんな感想を聞かせていただけるか今から楽しみである。

今日も一日ありがとうございました。

あだちまさし

情熱農家プロジェクト トッピン 
https://www.facebook.com/toppinfarm/

「情熱農家プロジェクト トッピン」で検索すると6月10日宇部日報に掲載された記事が閲覧できます。

大雨の水曜日

朝6時。24度。雨のちくもり。朝4時ごろから大雨被害を警戒する緊急エリアメールや宇部市防災課から土砂災害警戒情報が携帯に何度も入る。

農園へ向かう途中、2号線を厚東駅前から吉部方面へ向かう「立熊線」で崖が崩れ、土砂が道を塞いでいたため迂回。

雨の中、Fさんが一人で採卵をしてくれていたが、タマゴを積み込み出発させてもらった。農園を出てすぐにF井さん宅へ伺い。出勤時間は遅れて良いので吉部バス停で降車したIさんの送迎をお願いした。

バス停を降りて、農園までの道中、土砂災害の心配な所がある。7〜8年前、大きな土砂崩れがあり、あの凄まじい音、物凄い量の土砂が山から崩れ落ちる光景、ガードレールを突き破り川に落ちた土砂や道を塞いだ土砂。一般的に前兆があり、山から「シュー」と音がすると聞いているが、聴覚障害がある彼女は、その前兆を聞き取ることはできない。通勤途中の事故を避けるためF井さんに伝え、快く了解していただいたので安心して配達先を回ることができた。

2年前、当時勤務していた男性従業員に同じようなお願いをしたことがある。明るい性格で、少々抜けたところがご愛嬌の楽しい男だった。

今日と同じ大雨の朝、私から頼まれ吉部バス停へ車で迎えに行き、バスから降車する彼女を見つけ車の中から大きく手招きしたらしい、彼女は彼が迎えに来ていることを知らないので急ぎ足で傘をさして農園を目指す。彼は窓を開け、頭を濡らしながら「みゆきちゃーーん」と叫ぶが彼女に声は届かないのである。車を発進させ後を追えば良いものの、慌てた彼は傘もささずに走って彼女を追いかける、やっとの思いで彼女に追いつき車に戻るとずぶ濡れ。農園に着いた車の運転席には、頭の先から足先までずぶ濡れになった彼と、助手席には涼しい顔のIさん。

悪天候の日にはいろいろなトラブルがある。

大雨の小野田市内を走り、市内中心部のKさん宅で「ここ辺りは海抜ゼロmだから用水路の水位が気になってしょうがない」と玄関先で聞かせていただきながら、次の配達先へ向かう途中、Kさん宅より低く掘り下げられた小野田線高架下の道路が冠水して迂回。

小野田市内の配達を終え、小郡に入り、あと2件で配達が終わるお昼過ぎに猛烈な睡魔に襲われ、Fさんに午後からの仕事を電話でお願いし、20分ほど仮眠した。

農園に戻りFさんに急なお願いを詫びたところ「いえいえ」の一言。「いえいえどういたしまして」の「いえいえ」。この「いえいえ」が出る時は気持ち良い。

雨の中、鶏舎を一日回ってくれた彼に感謝した。

今日も一日ありがとうございます。

あだちまさし

雨雲レーダー活躍

朝6時。気温24度l。雨時々くもり。昨夜から何度も携帯で天気状況を確認した。起床後も布団の中やトイレで一時間ごとの降水量や雨雲レーダー、予想動画などを確認する。

日曜日の昼休み、Fさんといつものキャッチボールを一時間ほどする中で「鶏舎の周りの草刈りはいつするか?」と彼から問われた。二週間ほど前に彼が徹底的に刈ってくれたが、今は膝丈ぐらいまで伸びており、鶏舎の出入りの際に重たい気持ちになる。

鶏の出荷や悪天候、他にもやらなくてはいけない仕事があり、あっという間に今の状態になった。今の仕事と一週間先の予定を話しながら「じゃぁ、どうする?」と彼に答えを求めたところ「ボクが休みの日に出てきて、自分の草刈り機で刈ります」との返事。

休日に出勤して草刈りをしてもらうと「賃金」が発生するが、鶏舎周りの除草を自分の仕事として気に留めていることが嬉しかったのでお願いしていた。

6時半ごろ彼からのメール受信「雨がひどいけど草刈りどうしますか?」彼なりにテレビの天気予報を確認してのことだと感じたので「判断はお任せします」と打ち込み、それだけの文字では感情が伝わないと感じ「無理のない程度でお願いします」と付け加え返信。

雨雲の予想動画を見ると、9時すぎると小雨になるようで、運が良ければ雨にあわずに草刈り出来るなぁと思ったが、休日出勤のため、そこまで伝えず。

その後、彼は農園に姿を見せることはなかったが、鶏舎周りの草刈りを自分の仕事として考えてくれていること、その作業を自分なりに考え、休日をあてて自発的協力を願い出てくれたことだけでも感謝しなければならない。

8時半すぎIさん傘をさして出勤。強い雨が降る中、給餌の準備を始める。私の顔色を伺うことなく、配餌車に飼料を入れる。彼女もまた、3日後ぐらいまでの仕事の様子、天気を確認しているのでやる気マンマン。

雨雲レーダーの予想動画を見ると、9時すぎには小雨になると判断し、彼女に「アメ、ダメダメ」と手話で伝える。

その後、予報どおりの天候になったので、彼女は給餌、採卵と午前中の短い時間の中で多くの仕事してくれた。

「自発的協力を得る能力」

養鶏や第一次産業に携わるリーダーとして身につけたいスキルである。労働に対しての対価は本人が満足するほど与えることはできていないと常に感じる。

じゃぁ、彼らに大きな夢を見せてやっているかというと、そこも私自身、いまは自信がない。

今、私に毎日実践できることは、共に汗を流しながら、率先して仕事をし、時にメールやノートで意見交換などをするぐらい。

もっと、良いリーダーになりたいと心から願う。

今日も一日ありがとうございます。

あだちまさし

マジ、カンベン…

朝6時。気温24度。くもり。7時すぎから採卵を始める。鶏舎に入ると「カチッカチッ」の金属音がよく聞こえる。鶏が給水する際にニップルを突く音。

鶏の平均体温は40度前後で汗腺がない。発汗で体温を下げることができないため、水分を多めに取り、口呼吸から水分を蒸発させたり、地面を掘り比較的冷たい土で砂あびをして皮膚の表面から体温を下げる。もう一段暑さが増すと鶏の行動も、もう一段上がってくるが、今は水分摂取量が猛烈に増え始める時期である。

10時半まで、ゆっくり鶏舎を二回採卵。鶏も必死で産卵してくれるが、集める私も暑さと湿度で「ゆっくり」にならざるを得ない。

比較的高齢になった群は産卵数はそれなりに下がっているものの暑さには強い。

「冬の寒さや夜の辛さはこんなもんじゃぁ〜なかったわよねぇ。まだまだ若い子には負けられないわ」と、おばちゃん的な意地の産卵。

5月、6月に産卵を始めた、農園でもっともフレッシュな群は、産卵の嬉しさを覚えて何とか好調キープ。

「えぇぇ、やばくなぁい?この暑さ?メッチャやばくないぃ?」と、ギャル風に食欲、産卵もほぼ順調で暑さを楽しんでいる様子。

一番、問題なのは春先まで農園の生産を絶好調で牽引してきた群たち。冬の極寒を経験したことない鶏たちで、今までは朝一番に慌てて採卵室に入っても「ズラリ」と生み終えたタマゴが並んでいたが、この群たちが一番産卵時間が遅い。夏バテと産み疲れが一気にきたようでストライキ状態である。産卵数の減少はわずかだが、やけに機嫌が悪く、餌の摂取量も少なめ。

「私たちの人生って何なの?こんな餌と水だけじぁやってられない。マジ、カンベン・・・」と、かなり曇った表情で渋々産卵。

8時半すぎからIさん餌入れ開始。私が採卵を終えるころには全部の鶏舎を給餌し水分補給。彼女は人の様子などを観察して、自分のルーティンを少しずつ増やす。先週ごろからか、ペットボトル2本の水分に加え、飲むゼリー?なる新しいアイテムがルーティンに加わった。餌入れを終え、顔の汗をゴシゴシ拭いたのち、ゼリーのストローを口にし、一気に喉から胃袋へ。今日はクーのリンゴ味。

見る見る間に袋はペシャン。その後、息を荒くし、私の顔を強い目力で覗き込み「次は何ですか?」と指示を仰ぐ。

みなさん暑い中申し訳ありませんと、ただただ頭が下がります。

夕方、毎週伺う榊農家のIさん宅で頼んでおいた榊を受け取り、市内中心部を抜ける時間がラッシュ前だったので、先週ご縁が出来た居酒屋さんへサンプルをお届けする。

今日も一日ありがとうございます。

あだちまさし

小さなお客さま来園

朝6時。気温24度。くもり。7時前より採卵開始。Fさんは餌入れから。餌入れが終わる8時半ごろまで採卵、鶏舎を一周半。

今日は、2家族が農園見学に来られるので、お土産に双子タマゴを差し上げようと気をつけて採卵したが暑さのせいか、コレと確信できるは2つほど。

11時ごろお客さま来園。Nさま、Kさまご家族。小学校6年生の女の子二人に、三歳になったばかりの女の子。

鶏の運動場に入ってもらい、餌で鶏を集めてふれあってもらう。鶏やタマゴへ大変関心を持って下さり、ご両親から素朴な疑問をたくさん頂き、それに一つずつお答えさせていただく。日頃、配達先などでたくさんのお客さまと顔を合わせているが、お客さまの視点がどのような所にあるのか、改めて分かり、良い刺激をいただいた。

その後、採卵室へ案内し、女の子二人が採卵体験。採卵室へ顔を出す鶏が威嚇する声に、やや腰を引きながらボツボツとタマゴを集めていく中、産みたてホヤホヤの温かいタマゴが手に触れ、とても感動して頂き、ご家族みんなで湯気がでるようなタマゴを手にとっていただいた。

作業場で採卵したタマゴを大事にパック詰めする女の子たちの姿。両親が栽培している「ゴーヤ」を収穫して大事そうに抱える3歳の女の子。

十分なおもてなしが出来たか分からないが、自分たちの日常に改めて気付き、命をいただいている仕事に感謝した。

今日も一日ありがとうございました。

あだちまさし

今富ダムはええですよ

朝6時。気温23度。晴れ。月曜日の鶏出荷から慌しかった一週間。気持ちを仕切りなおして6時半ごろから採卵を始める。

7時半、Fさんと採卵を交代。産卵時間が遅くなり、ここから採卵が忙しくなる。私は一つ一つのタマゴを検査しながらのパック詰め。Fさんが私の仕事が切れないようコマ目に作業場にタマゴを運搬してくれる。

鶏舎では「まぁまぁ待て待て」と、暑さで消耗した体力を振り絞って鶏が産卵中。Fさんが作業場に下ろすタマゴは産みたてホヤホヤ。まだ鶏の体温が残っているタマゴを私は検査、パック詰めしていく。

9時すぎIさん出勤。昨日は雨で給餌なし。彼女なりの気合を入れた表情で「おはよう」の目配せをして仕事を始めた。

作業場で仕事をする私の背中からは、たくさんの蝉の鳴き声。目の前、左側の土間では寝不足の番犬が朝寝をしながら、時々寝言。Iさんが二日分の餌を配餌車入れる音。Fさんが園内作業車を発進させるエンジン音。3人黙々と仕事。

作業場にタマゴを下ろしに戻るFさんが番犬にむけ「お前が一番ええのぉ」と話かけるが、耳を少し動かすだけで愛想なし。

11時前に数件の配達にでる。小野湖を見下ろす高台にある「サルワーレさま」に配達。お昼前なのに駐車場は一杯。キッチンでは予想外の団体客に大忙し。客席はほぼ満席。ご自慢の薪釜の中には前菜のウインナーが所狭しと並んでいる。この時間からビールを飲みながらピザを食べたら最高だろうなぁとゴックンする。

農園へ戻る途中、今富ダムの放水口そばの駐車場で弁当を食べ、クーラーを効かせた車の荷台で20分ほど昼寝して農園へ戻る。

午前中の続きの作業をしながら、午後からIさんが鶏舎から運んでくるタマゴを仕分けパック詰め。

14時ごろ、FさんとIさんが農園を後にするころ、蝉の鳴き声に混ざり涼しげな虫の鳴き声も聞こえる。彼らを見送ったあと、もう、ひと頑張りして作業場の仕事を済ませ、鶏舎採卵室へ最後の採卵。

16時ごろ農園を出て、船木から文京台に入り、宇部中央を経由配達しながらの帰宅。ご集金に伺った「エールラポールさま」の店内で、以前、楠中学校で共同購入されていた職員さんとバッタリ。お互いの子供の年が近く、サッカーで顔見知りだったこともあり、久しぶりに近況を交換した。

月曜日から気忙しい日が続いていたが、鶏の出荷前と出荷後の生産と歩留まりが、だいたい想像の範囲内で推移したことを、しっかり把握できた一日。

今日も一日、感謝でいっぱいでした。ありがとうございます。

あだちまさし

産婦人科のディナー

朝6時。気温22度。雨。昨夜、山口トヨタ防府店の担当者さまから「オイル交換でご来店いただく際に保険の確認をさせていただきたいので」と連絡があり、9時半までには伺いますとお約束していた。

Fさんに事情を電話で話し、朝の採卵はしないで配達に出る旨をつたえ、終日雨予報だが、給餌は止め、土曜日の天候を見て仕事を調整するよう伝えていた。

家内が握ってくれた大きめの「おにぎり」を3つ車に積んで自宅を出る。7時ごろ農園に着いた時には、すでにFさん鶏舎で採卵中だった。朝早くからの仕事に感謝。

タマゴを車に積んで出発する前、保冷バックに入った「おにぎり」を二つ抜いて私の昼食用に。バックと残り一つをFさんの自家用車の助手席において「お疲れさまです。休憩中食べて下さい」とショートメールを送りながら農園を出る。

昨日、Iさんが多め給餌をしてくれたので餌の心配はないが、雨の中で鶏舎内での一人仕事。淡々とテンポ良く済ませて行くと終わる仕事だが、一旦、気持ちが下がり億劫になるとタマゴとニワトリの板挟みになる。

9時すぎ、鯖山トンネル手前で彼から「おにぎり」のお礼メール受信。短いメールの中に気持ちが良い言葉が二つ使われており「嬉しいメールありがとう」と返信した。

約束の時間より10分ほど遅れたが、山口トヨタ防府店にピットイン。ハイジェットのオイル交換とタイヤローテーションをして頂く45分くらいの間、保険の資料に目を通し内容確認。

雨足が強くなるなか、防府、徳山、下松の配達を済ませ、農園にもどり、1時間半ほど作業をして折り返しの配達へ。

週2回配達に伺う「はしもと産婦人科さま」。患者さんへご提供される食事に農園のタマゴをお使いいただいている。外観もキレイで、食事が美味しいと評判らしい。大阪弁の温和な料理長さまが調理場を取り仕切られている。

金曜日は夕方に伺うので夕食の配膳中だったり、病室へ届ける直前の料理を目にすることがある。料理の良い匂いだけでも我慢するのがやっとだが、目から入る情報が加わると更に空腹の拍車がかかる。

今日は恐る恐る自分から耳からの情報も入手してみる「今日のメニューは何ですか?」

「枝豆の冷製スープ。ハンバーグにサラダ。ジャコとピーマンのきんぴらの小鉢。あと、ごはんとデザートのフルーツ」

出産の痛みを経験することがない私には、当然、ベッドの上で味わうことできないメニュー。

雨の中、今日も皆さんお疲れさまでした。ありがとうございます。

あだちまさし

よく汗かきました

朝6時。気温22度。晴れ。7時前に農園に到着。6時前に下関の配達へ出発した父から伝言あり。

「万倉のパレット工場にたくさん廃材が出とる」とのこと。古くなった木製パレットをばらし、廃材として無料で提供して下さる。薪で風呂を沸かす家もあれば、何かの焼却に使われるのか。田舎では大人気である。

Fさんに採卵をお願いして、軽トラでパレット工場へ。パレット工場の出勤時間と重なり、積み込みの最中、大勢の方と朝の挨拶。こんなに「おはようございます」したのは久しぶり。

8時すぎに農園へ帰り、今度は軽トラ一杯分の積み荷を雨のかからない場所へ降ろす。ここまでで一汗。

それから草刈り。11時くらいまでしたが、日差しきつく、気温も高かったので汗が止まらず、車のクーラーをつけて15分ほど休憩した。

15時すぎから配達へ。途中、自宅でTシャツを着替えて市内を回る。新規にサンプルをお届けしたお店一軒。

20時ごろに新規営業に行ったお店のオーナーシェフさまからお礼のメールを頂き嬉しかった。

良いお取引ができますようお願いして一日終了。

今日も一日ありがとうございました。

あだちまさし

うき庵工房の風見鶏

朝6時。気温24度。晴れ。強い日差しの中、6時半から運動場のある鶏舎のみ採卵をしながら鶏を開放する。

暑さの影響で餌の摂取量が落ち、産卵数に少し影響が出始めた。朝の産卵数がグッと少なく鶏さんも必死である。暑い中、採卵や給餌をするFさんやIさんの苦労を思いながら7時ごろに早めの出発。

9時前、小野田駅前のUさん宅へ到着。配達の度、おばあちゃんがあたたかく応対して下さる。農園のタマゴをよくお使い物にしていただき、その都度、丁寧な説明を添えてて下さるので小野田市内に新規のお客さまが数件増えた。

一ヶ月前くらいに「わたしが、となりの風見鶏をプレゼンとするから」と言われていた。先週、先々週は大雨でタマゴを下ろすのがやっと。「雨がひどいから、また今度ねぇ」と言われ、おばあちゃんと別れていた。

今日は快晴。ジリジリ日差しが厳しい中、おばあちゃんが草引きしながら待っておられる。タマゴの支払いを早々に済ませ「となりに行きましょ。色がたくさんあるから好みのを選んで」と言われるままに急ぎ足でお隣へ。

Uさんのお隣さんは「風見鶏」で有名な「うき庵工房さん」。小野田市内を配達しているとよく目にするニワトリ型の風見鶏を製作されている。まえから気になっていたが値段を聞くのを躊躇していた。手作り感たっぷりなのに、いろいろ工夫をされ、よく回る風見鶏。きっと職人気質の方が丁寧に作られていると思い、軽い気持ちで尋ねるできなかったから。

盆踊りのお面屋さんのように色鮮やかなニワトリ形の風見鶏が並べられており「好きなの選んで」と言われ、黄色ベースのニワトリを選んだ。支払いはUさんがして下さり、うき庵工房の河村さん(77歳)のこだわりなどを聞き、Uさんが私も紹介をして下さった。私は、風見鶏を抱えてお二人の会話をじっくり聞かせて頂いた。タマゴ屋さんと風見鶏で良い関係になれそうねぇと定期注文まで。気になっていた風見鶏をプレゼントしていただいた上に。心から感謝です。

お礼を言って工房兼ご自宅を後にする時「幸運をよぶ風見鶏」の看板を目にし、日差しが強く暑い一日だったが、とても気持ちよく後の配達、農園仕事ができた。

今日も一日ありがとうございます。

あだちまさし

●「うき庵工房の風見鶏」

山陽小野田市日の出町4-4-36 ?0836-83-1505(河村さま)

栽培屋さと

朝6時。気温24度。晴れ。自業自得の火曜日の朝。

寝不足と二日酔いの体を引きづりながら7時すぎから採卵を始める。

Iさんが出勤するまでは一人作業。鶏に「すいませんねぇ。遅くなりまして・・・」と詫びながらの採卵。タマゴを運ぶ度に汗かきながら「ドッコラショ」をひとりで連発。

10時半ごろ「そば処武蔵野さま」から注文の電話が入る。いつもの「今日配達お願いします」のあとに「佐藤さんのナスを10本ほど納品できますか?」とのお尋ね。

昨日、栽培屋さとの佐藤さんがサンプル営業したナスの品質が良かったよう。彼にはタマゴの配達の便を使ってもらって結構なのでと伝えていた。

15時前に配達に出て、有帆の配達先に向かう途中、万倉の佐藤さん宅を経由し車にナス10本を積み込む。

売価がいくらか知らないが、武蔵野のご主人も新鮮で質が良いので値段は彼の言い値で良いと話されていた。何かと忙しい農家さん。配達の負担を少し軽減してあげられたらと私から提案した仕事。

どんどん私の便を使って下さいとお願いだけはしておいた。

ナスビ10本の売り上げがどうかとか、コストがどうかとか難しい話はわからないが、取引先さまのご意見を伺ったり、自分が提供できる野菜の量や時期をすり合わせていくと割りと楽しい流通、人間関係が築けるのではないかと思う。

5年前、脱サラして就農した「栽培屋さと」の佐藤さん。

学年が一つ下の同世代で、薄毛の私が劣等感なくお付き合いできる毛髪具合。農業に真剣に取り組んでおられる姿勢にはいつも勉強させていただくことが多い。

今日も一日ありがとうございました。

あだちまさし

はい。5羽。

朝6時。気温24度。晴れ。鶏の出荷。約600羽。

120日齢から産卵をはじめた鶏を、産卵効率が落ちてくる500日齢前後で廃鶏として集荷する。今日はその日。

朝5時半前、Fさん休日出勤。私が農園に着いた時には捕鳥カゴを軽トラで運搬中。朝早くからの仕事に感謝しながら一緒に作業をはじめる。

以前は一度に200羽を食鳥処理場へ軽トラで運んでいたが、ある事情で業者さんに集荷していただくことになり、一度の出荷ロットが3倍近く。太い針金の先をU字に曲げた1メートルの棒で一羽ずつ捕鳥していたが、量が増えると、それでは間に合わず、昨年からFさんが考案製作した「追い込み」にて捕鳥。

網戸を3枚を立てに番線でつなぎ、壁に面してL字に置いた「追い込み」にFさんが鶏を追い込み、一枚の網戸でフタをすると壁と網戸の間に追い込まれた鶏が囲まれるしくみ。彼は追い込みの中で鶏を捕まえ、私が外で捕鳥に鶏を入れる作業。

彼は腰をかがめ、素早く鶏の足を捕まえて5羽単位で私に手渡す。捕鳥カゴは10羽詰めなので、彼から手渡された5羽ずつをカゴに入れ、作業の邪魔にならない場所に積み上げながら、次のカゴを用意する繰り返し。

作業効率は格段に上がったが、彼が決めた役割分担で仕事を進めると、どうも私の作業の方が忙しい。一度に追い込む端数は60〜80羽。彼から渡された5羽をカゴに詰め振り向くと「はい。5羽。」カゴを積み上げ新しいカゴのフタを開け顔を上げると「はい。5羽。」

こんな調子で600羽の鶏をカゴに収め出荷する。途中、息が上がり、自分からは弱音をあげることはできないが、彼が休憩しようと提案してくれたら諸手を挙げて賛成しようと考えながら一時間半。一気に作業を済ませ、二人で少しの間休憩する。

それから彼は業者のトラックが横付けする場所まで600羽を運び、私はいつもの採卵作業をスタート。Iさんが10時前には給餌を終えたので、今日はさすがにバトンタッチ。Fさんも後片付けなど終え本日の業務終了。

なるべくストレスの少ない環境で鶏を愛情をかけ飼育し、元気なタマゴを産んでくれることを心がけているが、鶏はペットではなく生産動物。

鶏の命があってこその営み。鶏に感謝の気持ちを感じる一日の作業。

毎日、タマゴを産んでくれてありがとうございます。

あだちまさし

自画自賛カレー

朝6時。気温24度。はれ時々雨。7時すぎから採卵にとりかかる。Fさんは餌入れ。前日の天気予報はくもり雨だったが、予報に反し快晴。朝一番から日差しがかなりきつく、地面の水分が蒸発しサウナ状態。

9時ごろ私は鶏舎を一回り済ませるころ、Fさんも給餌終了。この2時間で一日分の汗をかき、その後の作業を想像すると気持ちがかなり凹む。彼の顔にも同様の疲労が見えたので少し長めの休憩をとった。

Fさん残りの採卵を始めたが半分終わったところで、アイスクリームを渡して休憩をとってもらう。気温、湿度とも高いうえ、鶏舎の中は鶏の体温もあり、かなり暑い。

16時。なんとか一日の作業を終えることができ農園を出る。

夕方、ダンチュウ「カレーの教室」を開き、夕食づくり。いつものように、タマネギ3個をみじん切りし水分をとばしながら炒め、ニンジン2本を摩り下ろして加えながら炒める。ひき肉400グラムをあせて炒めて、水をいれ煮込み、ルーを入れる。
エバラ「横濱舶来亭」とHachi「プレミアムカレールゥ」

今夜は、キーマカレー風「自画自賛カレー」

今日も一日ありがとうございます。

あだちまさし

わしの面目もたつ

朝6時。気温21度。くもりのち晴れ、時々大雨。今朝は何とかく目覚め悪く、家内が慌しく長男、次男の弁当を作りながらのバタバタ話しを横になりウツラウツラ聞く。

苦労をかけているのはわかっているが、あたたかい言葉かけを出来ない自分に反省する。

農園へ到着間近、Fさんからショートメール「お客さんが待ってるよ」

看板には営業時間8時30分〜15時30分と記しているが、馴染みのお客さまは早朝から足を運んで下るお客さまもある。

Fさんに折り返しの電話し、どんな車か、どんな人か尋ねる。「軽トラのお爺さんです。」

だいたい想像はついていたが、昨日、電話でご注文いただいた美祢市伊佐のMさんらしい。

それにしても時間が早い。

ご長男がお孫さんを連れ帰省され、おみやげに私たちのタマゴを持たせたいと予約したが、肝心の息子さん家族が早朝より観光して福岡に帰るのでと、美祢から慌てて峠を越えて来園下さった。

時間外だったが、長年、農園へ通い続けて下さる常連さんに感謝した。

ご高齢のMさんが帰り際、「これで、わしの面目もたつ」と時間外のお詫びしながら、軽トラをいつもよりアクセル吹かし気味でタマゴを持って帰られる。ありがたい。

今日は何度か、スコールのような大雨にあった。

午後から農園も断続的な大雨。雨の中、父がハンマーモアで除草する姿に後ろめたさを感じながら農園を出た。

今日も一日ありがとうございました。

あだちまさし

梅干しのお礼

朝6時。気温20度。くもりのち晴れ。運動場がある鶏舎だけ採卵しながら鶏を外へ放す。

早めに配達へ出発させてもらったので山口フジグランの検収へ一番のり。となりのセルフスタンドは開店準備中だったが5分前に開けてもらい給油。5等が当たり値引きしてもらった、何だか幸先よい一日の始まり。

行きの10時すぎ2号線富海の道路温度計27度。帰り13時、ソレーネ周南付近29度。14時美東手前31度。農園での仕事は暑さできつかっただろうとエアコンを止めた。

農園で少し作業を済ませ、折り返しの配達へ出る。365日タマゴをお届けしている仕出し屋「柳屋」さま。Fさんのお母さんはここでお勤め。今日、久しぶりに顔を合わせたので家庭での様子を少し伺う。親子なので彼の良いところも悪いところも十分承知されているので、私から伝えることは日頃頑張って仕事をしてくれている様子のみ。ただ、お母さんからの話では自分の力ではどうにも出来ないことの悩みを家庭で打ち明けている様子で気になった。

先を急ぐので手短に話しを済ませ車に乗ろうとしたが、先日の「梅干し」のお礼を忘れていたので後戻りしてお礼申し上げた。

今日も一日ありがとうございます。

あだちまさし