日別アーカイブ: 2018年5月21日

たまご焼き弁当

12時45分。下松市「花岡八幡宮」で昼食。

金曜日は山口市から光市までのお得意さまへタマゴをお届けして、ここで一旦エンジンをとめる。だいたい今日も定刻どおり。

石段坂の参道の先には鎮守の森に囲まれたお宮が見えるが、私は正面の鳥居を右に曲がり車参道から参拝口近くの駐車場まで上がる。

疲労と空腹で頭が真っ白だが、歴史的にも由諸ある本殿で二つ拍手して拝礼を済ませて、左後方にある「願かけの御神馬」の顔を撫で、お手洗いを借用し一息つくのが最近の日課。

駐車場の側には、室町中期に建立された立派な多宝塔があり、その横には吉田松陰先生の坐像と辞世の句が二句添えられているが、このあたりは省いて弁当のフタを開ける。

弁当箱は手のひらサイズの黄色い2段式。子どもたち3人が保育園で使っていたものでフタのキャラクターは使い込んで擦れてしまった。

箸を握りながら一瞬だけ感慨のようなものが頭の中を過ぎるが、何しろ空腹なので一心不乱に飯を口に運ぶ。

朝が早い日は前日の夜におかず等を用意してもらい、出掛ける前に弁当箱へ自分で詰める。

上の段には白飯をサクッと入れ、真ん中に梅干をギュッと押し込む。下の段はおかず。今日はニンジンサラダ、ほうれん草のごま和え、ひじき煮、あと定番の「たまご焼き」。

それぞれを口に運びながら、真っ白だった頭の中が次第に活力を取り戻してくるのがわかる。これが金曜日のリフレッシュタイム。

今の仕事をはじめて、慌しく毎日を送っているようだが、自分自身が生産者となって初めて得る知識というのがたくさんある。

農園の営みを通じて様々な農家さんとご縁もいただき、お米や野菜などを生産する苦労にも知らず知らずのうちに触れてきた。

日頃、自分が口にしているものを生産者が作るには、どれほどの手間や知識、そしてお金が必要か。

そのことを理解して食物と向きあえるということは、今までの人生とくらべてグンと豊かなものかもしれない。きっとそうだ。

白飯とたまご焼きを頬張りながら「悪くない」とボンヤリ考えたりする。

あだちまさし。