月別アーカイブ: 2018年7月

台風12号迷走

異例のコースを進む台風12号。明日は屋久島付近で回転するという。

日本列島を東から西へ縦断するとの予報を受け、二日前から台風対策。鶏舎の雨戸を閉めたり、暴風養生などを施す。

台風通過をうけ、今朝は養生解除をしながらの採卵作業をスタート。

雨戸を開けた鶏舎には緑陰から風が吹き込み、運動場に放した鶏たちは夜の冷気が残る場所で地面に穴を掘りながら砂浴びをし体を冷やす。

二日前の夕方から気温が少し下がったので幾分か食欲が増したようだ。産卵の回復を祈るばかり。

気温が上昇する前にと、いつもより早めに仕事に取り掛かったが、農園をひと周りした頃、私を照りつける日差しはジリジリムシムシと容赦がない。

日差しに加えて湿度が高い一日で、やはり今日も汗にまみれた。

温暖化の影響なのか、これまでの常識を超えた異常気象が頻発している。

地球規模で起きる気候変動を抑えることは大変難しい。

体が資本なので、健康を維持し、明日に備えたいと思う。

あだちまさし。

猛暑がつづく

最高気温36.7度。晴れ。猛暑日。

連日、危険な暑さが続いている。さすがに鶏たちも限界を超えたという感じである。

先週19日(木)は37度を記録した。県内の最高気温を更新したとか、しないとか。配達先でも暑さの話題でもちきり。

木曜日の夜から金曜日の朝にかけて、熱中症と見られる死鶏が出た。

予報では暑さがしばらく続きそうだったので、毎朝、不安な気持ちで鶏舎に入るが、その後は落ち着いている。今朝は死鶏ゼロ。

ただ元気一杯かというと、そうではなく、暑さを必死で堪えているといったところだろう。

食欲が落ち、命をつなぐ最低限の餌しか体が受け付けていないようなので、当然、産卵率も落ちる。梅雨明けに下降したラインから、更に一段下がったようだ。

今夜は多少、風が吹いているので少しは持ち直してくれると思う。

鶏の体調も心配だが、農園で働く私たちの体力も日々、暑さに奪われていくのがわかる。

日々、最低限の仕事をこなすのが精一杯だが気持ちを切らさず乗り切りたい。

日頃、テレビは見ないが、この暑さで新聞もパラパラと虚ろにめくるだけという日が続いている。

そんな中、携帯でチェックする猛暑に関する天気ニュースが日ごとに増えるのが不気

今年が特別であって欲しいという願いを込めて、チェックしたニュースの見出しを備忘録とする。

あだちまさし。

07.15 18:12 日本気象協会
7月前半で猛暑日180地点越え。24年ぶり。

0716 07:11 日本気象協会
16日 海の日 命を奪う猛暑続く

0717 19:12 日本気象協会
あす40度近い暑さも 7月末にかけ高温

0718 17:11 日本気象協会
国内最高気温41度に迫る 危険な暑さ長期戦

0719 19:12 日本気象協会
猛暑の峠越えるも雷雨増加? 1カ月予報

0720 12:12 日本気象協会
週間天気 続く危険な暑さ 沖縄には台風

0721 07:08 朝日新聞デジタル
各地で猛暑、原因は重なる高気圧 8月上旬にかけ警戒を

※猛暑のメカニズム 二つの高気圧の強まりで暖かい空気が地上へ圧縮される。
上空15000m付近「チベット高気圧の張り出し。上空5000m付近「太平洋高気圧の強まり」

0721 15:00 時事通信社
続く猛暑、熱中症に懸念「今まさに注意を」 死者一千人越えの年も

0722 18:12 日本気象協会
猛暑のトンネル 出口はまだ

0723 07:11 日本気象協会
23日「大暑」東京都心で今年最高の暑さか

0723 11:11 日本気象協会
東海 40度越えの所も 熱中症最大級の警戒

0723 14:55 朝日新聞デジタル
埼玉・熊谷で史上最高41.1度 気象庁「災害と認識」

0723 18:25 朝日新聞デジタル
「悪名高い高温多湿」日本の猛暑、海外メディアも速報

0723 21:43 毎日新聞
猛暑:気象庁「災害と認識」熱中症死の疑い6日で90人超

0723 21:43 毎日新聞
猛暑:キャベツ、レタスなど葉物野菜が値上がり

0724 07:11 日本気象協会
24日 猛烈な暑さに加え、湿気タップリ

0724 11:33 毎日新聞
熱中症:搬送者2万2647人 16日〜22日 消防庁

0724 15:11 日本気象協会
この暑さ、災害級 熱中症搬送者が激増

0724 17:11 日本気象協会
福岡・久留米 猛暑日16日連続!

※7月としては1977年の統計開始以来、最長の猛暑日連続記録を更新中

0724 18:23 毎日新聞
猛暑:熱中症、救急搬送「屋内」最多死者最高の65人

0724 19:21 朝日新聞デジタル
猛暑、農業も被害 畑のレタス腐敗、キャベツ小さいまま

※斉藤健・農水相は24日の閣議後会見で「今後、高温、干ばつによる農作物への影響が懸念される」と話した。

いくつになりますか?

週明けに聴覚障害があるミユキさんが持ってきた「交換ノート」に休日の様子が3行ほど書かれてあった。

叔母の運転で家族4人とともに「しまむら」で洋服を買い、回転寿司を食べたようだ。最後の行に「7月19日はミユキの誕生日だからです」と理由が付け加えられている。

私は所々にアンダーラインを入れ返信しながら、最後に理由が書いてあるところが、自分がメモ書きする仕事指示に似ていることに後で気がついた。

彼女に指示を出すときに、はじめに理由を書くと仕事内容が正確に伝わらないことがあり、一日の仕事を箇条書きした最後に「暑さで鶏の食欲がないので」とか「明日は雨ですから」など理由を添えて渡している。

本来なら理由から教えた方が良いのかもしれないが、今のような習慣がついてしまったのは私の「伝えよう」という姿勢の弱さかもしれない。

その良し悪しは別にして、彼女が精一杯の内容で誕生日を迎えることの喜びを表現してくれたので、お祝いの言葉と「今年でいくつになりますか?」と尋ねてノートを返却する。

翌日、彼女からの返信に「今年で36いくつになります」と強い筆圧で書かれている。「何歳になりますか」と尋ねるべきだったが、前後の内容から彼女なりに尋ねられていること察して、このような答え方になったのだろう。

二人だけのノートなので伝えたいことを理解してもらえば良く、あえて間違いは指摘しないまま「よくわかりました」と返信したが、数日間、このやりとりが心の中で引っかかった。

もう少し踏み込んで間違いを訂正するべきだったか。それとも、仕事上は問題ないので、このままで良かったのか。

農園で共に働く時間が長くなるにつれ、彼女がひた向きに生きる姿を感じることが増えてきた。今回のノートからも、何気なく書いている文字を、彼女が感じとり、理解しようという姿勢がよく伝わってくる。

仕事に追われる毎日ではあるが、私の「伝えよう」という姿勢を見直し、もう一歩踏み込む勇気とやさしさを持つべきだったと反省した。

あだちまさし。

溶けるような暑さ

農園の東側にある岩郷山から太陽がのぼり、午前中の東側から斜めにあたる日差しが一番体に堪える。

今日は祝日なのでIさんが給餌をはじめる9時すぎは全身に灼熱の太陽が斜めからあたり少し体を動かすだけで汗が滝のように流れ出す。

終日ほぼ無風。溶けるような暑さ。

私は一番遠くの鶏舎で採卵をしていたので、大きく右手振って彼女に挨拶をし、ゼスチャーで「給餌は少なめ」と伝え、ウンウンと頭を縦に下げて「了解」したの合図。

暑さで鶏の食欲も落ち、餌箱に食べ残しが目立ち始めた。当然、産卵も下がり気味。適正量を食べて何とか暑さ乗り切らせたい。

早朝の涼しい時間帯にしっかり摂取できるよう、今朝から15分程度、照明の点灯時間早めた。

想像以上の暑さが一週間先まで続きそうなので、不安をかきたてられるような感覚が常に付き纏うが汗を流しながら辛抱するしかない。

祝日運行のバスは農園の作業時間と少々ズレを生じる。少し前倒しに仕事を済まさせ帰宅するIさんを助手席に乗せて農園を配達へ出る。

配達途中、船木のセブンに立ち寄り、好きなアイスを選ぶように促し彼女が選んだものは「プレミアム」と冠のつく300円のソフトクリーム。

小さく頭を下げ、そそくさと助手席にもどった彼女は美味しそうにアイスを舐めはじめる。

私はドリップコーヒーがカップに落ちるまで、その様子を店内から眺めた。

あだちまさし。

つめあと

最高気温33度。うだるような暑さの一日。

梅雨明けから一気に気温が上昇し、3日前から生産が下がる。先月まで朝夕が涼しく過ごしやすかったため急降下。

おそらく今が底だと思いたいが、生産の把握に神経を使う日々が続きそうだ。

今朝は近隣の農家のご婦人方が鶏糞を取りに来園された。夏野菜の追肥と冬野菜の元肥に使われるとのことである。

積込み作業を終えられたご婦人方と木陰で畑の作物の様子を聞かせて頂き、私は鶏の暑さ対策などの話しをさせて頂く。

お互いに猛暑でも日々の作業があり、次の季節への準備がある。農家さんの話は、いつも私の肥やしになる。

連日伝えられる「豪雨被害」を新聞から吸収する。小さな記事ではあるが農産物の被害状況はかなり深刻。

猛暑で生産量が下がる中、被害状況の正確な把握は困難を極めるだろう思う。

昨日、金曜日の定期便で光市まで走った。

快晴の188号線。右手には笠戸島が見える。普段は海岸線を走る片側2車線の道路は流れもよく気持ちが良いが、一週間前の豪雨の大きな爪痕を目の当りにする。

虹ヶ浜の手前「下松市恋ヶ浜」付近、左の山が土砂崩れで崩落。山陽本線と道路に流れた土砂は取り除かれていたが、本格的な復旧には時間がかかりそうだった。

島田川沿いを上流へ向う際、所々で川が越水した痕や小さな土砂崩れをいくつも見かけた。

束荷(つかり)のテニスクラブへは通行止めを迂回しながら配達。

小川に架かる小さな橋のガードレールには流れてきた枝や草が引っかかり、その様子から氾濫水位がよくわかった。

氾濫した川は護岸が崩れたところもあり、水田に水没した形跡がある。被害の大きい水田は畔が流されて干上がっているところもあった。

毎週、目にしていた光景に残る災害の爪痕から想像以上の豪雨の恐ろしさに胸が痛み、自分の生活も災害と隣り合わせにあることを強く感じた。

あだちまさし。

雨あがる

「平成30年7月豪雨」と命名された雨が上がった。

6月末から梅雨前線の停滞がはじまり、7月3日には台風7号が接近、昨日までの長雨で土砂災害の不安を強く感じた。

夕方「梅雨明け」が発表されたが、報道される豪雨被害の状況を見ると心は晴れない。

先週金曜日、7月6日は予定どおり県内東部へ車を走らせた。

農園を出発する前に聴覚障害があるIさんの通勤途中の安全確保をして、いつも通りの最低限の作業指示だけ。

運転中、ラジオは着けず、宇部市役所から入る防災メールとFさんが送信してくる農園の状況だけを頼りに大雨の中、足早に配達をこなす。

前日からの降水予報は殆ど当たっていた。夕方にかけて大雨を降らせる雨雲がかかる予報が気がかりだったが、活発な活動をする前線がわずか東に逸れたので大きな被害が出ずに済んだ。

正午ごろから14時まで、下松、周南市内で降り始めの大雨にあっていただけに、自分だけ安堵することに後ろめたさを感じた。

明日予定していた鶏の出荷も予定どおり。出荷先の福岡県久留米市の工場と週末に連絡がとれず心配したが、さきほど段取りを済ませた。

小倉東〜門司が通行止めだが、ほぼ定刻どおりに出荷出来そうだ。

豪雨被害の状況によっては、今後、どんな支障があるか不安だが、何とか日常が取り戻せそうな気がしてきた。

止まることがない農園の日常が、どれだけ多くの方に支えられているか実感した今回の豪雨。

梅雨明けとともに、しっかりと胸に刻んでおきたい。被害があった地域の方々が一日も早く日常が取り戻せることを心から祈りたいと思う。

あだちまさし。