人の力におよばないこと

「四季の変わりは人の力におよばないことである。物事は時節に任せよ。」

昨夜から予想以上に雨が降った。出来なかった仕事が二つ。草刈りと、薪が湿ったため焼却作業。

降雨量が少なければ、今日から井戸周辺に散水する予定だったが、井戸の水位は持ち直したので、するべき仕事が一つ減る。

一歩進んで、二歩下がるといった具合の一日だった。

今週はじめから産卵状況が上昇傾向にある。もう一段、生産の上積みしたく、先月より更に注意しながら鶏舎を周り採卵する。

タマゴの重さ、艶も少しつずつ増してきた。もう少し、もう少しの毎日。

多少、蒸し暑さは感じたが10日前とは大違いの環境で仕事をしている。肉体的には楽になったが、夏場の疲れと緊張がほぐれたせいか、なぜか疲労が蓄積する。

隣接する耕作放棄地をイノシシが荒らしだしたのは6月くらいから。

毎朝、目にするイノシシが耕した光景に心が沈んだ。私たちのテリトリーまで侵食して来たので、400メートルの防獣ネットを張りなおし、しばらくは被害がなかった。

猛暑の夏、噛み千切られたネットを保全しながら、何とかやり過ごしたが、ここ最近「ウリボー」2頭が小さく足あとを残す。

鼻先からシッポまで約50センチほどの見た目には愛嬌があるが、ちょこちょこと目にすることが増えた。

夜中に大きなイノシシが鼻で、ミミズなどを探して掘って崩れたネットの隙から侵入してくる。

いつもは夕方に姿をみせるが、今日は曇りの「ドシャ降り」だったので、朝から来園。

棒っきれを振り回しながら「コラーッ」と言って追いまわし、ずぶ濡れになる。

逃げる経路を確認したので、また「ネットの補修」を明日。少々うんざり。

市内でも「超高齢過疎地」で私たちも農園を営んでいる。地元の農家さんも「獣被害」にはあきらめ顔。

「私たちの人口が減るより、イノシシの頭数が増えるのが早い」

時節に任せたいが、本当の「共存」」できる道はないのか、心底考える。

あだちまさし。