ずぶ濡れのヒナが今朝届いた。

ジャァージャァー降りの雨の中、月曜日が始まった。

今朝はヒナの入荷日。ずぶ濡れのヒナが今朝届く。

今回は、育すう場の都合で5日程度遅い。それほど農園には問題ないが餌の負担が育すう場に5日分増しで増える。

私どもの都合で入荷日が大幅に遅れる場合は一日あたり幾らという具合で餌代が請求金額に上増しになるが、今回は育すう場の都合なのでサービス。

今月はたくさんの出荷が重なり、搬送用のトラックと人手が足らず、農園の配達が後回しになった。数百羽の納品は育すう場では最小ロット。仕方ない。

今月の出荷が多いということは、最低でも半年前から注文を受け付けているはずである。

育すう場というのは、ふ卵場からヒヨコを仕入れ、産卵を開始する120日前後まで伝染病予防のワクチンや、成長段階にあわせ栄養管理した飼料を与え、養鶏場の利益を増やすために丁寧にヒナを育てるのが仕事。

120日前というと6月。4ヶ月前ふ化したヒナが今日届くわけで、タマゴが急に必要になった養鶏場が電話一本でお願いしても駄目なのである。生産や販売計画のもと、事前に育すう場に発注しなければいけない。

当然、生き物なのでキャンセルは出来ない。

今月、ひなを導入する養鶏場が多いのは今年に始まったことではない。農園に入ったヒナも今月中旬から産卵をはじめ、産卵がピークに達し、卵殻が大きくなり卵重が乗ってくるのが11月中旬ころから。

12月、年末で街が賑わい、ケーキ屋さんが寝る間を惜しんでクリスマスケーキの仕込みをし、寒くなると家庭でも鍋が増える。すきやきには生卵が一個。おでんには家族の人数分ゆで卵が入る。

そんな需要の増加を見込んだヒナの導入なのである。

育すう場のお客さまは、目まぐるしく変化することはないと思うが私どもが仕事をはじめてから養鶏業界を取り巻く環境は大きく変わった。

実は同じ県内にありながら、県内出荷は小羽数の私たちのみ。以前はそうではなかったが。

数年前、3代目となる現在の社長さんにバトンタッチされ、年齢が近いこともあり、たまに電話で意見交換させていただく。

電話を切るとき「お互い頑張っていきましょうね」と必ず言葉を添えて下さり、元気がでる。

夏場の出荷の遅れを取り戻し、無事に新しいヒナを受け入れられたことに感謝。

あだちまさし。