大難を小難に、小難を部なんに

一週間前、思いもよらない形で病院のお世話になった。しかも救急搬送で救急医療センターへ。

最後に病院へ行ったのは20年前かどうか、そのあたりも記憶があいまい。

病気知らずの健康体というよりは、医者嫌いの無精者で、今回、多くの方にご迷惑ご心配をおかけした。

この一週間、大難を小難に、小難を無難に取り計らい下さったと感じることが多かった。

専門の耳鼻科医師が院内におられ処置にあたって下さったこと、止血処置に5時間かかったが、仕事に大きく支障をあたえる時間でなかったこと、そんな偶然のタイミング。

もっとも、破裂した血管が鼻の中であったことは不幸中の幸いであったと強く感じる。

本日、術後の経過と血圧の診断を受けるべく、午前中に時間を頂いて通院したが、高血圧予防の範囲で最低限の処方を一ヶ月分していただいた。

今後も服用を続けることになるが、自分の心がけ次第で最低限の処方になると説明頂き、ひと安心した。

ただ、大きな厄を小さな厄に変えて頂いたと感じるのは「あぁよかった」という私の人間心が感じているわけで、

この度の出来事に、どんなお取り計らいがあったのが、静かに心の目を開き、心の耳を澄ませて、本当の意味での「人生の分岐点」に出来るよう、もっと心の深い所で感じていく必要があると思う。

そんな中、不思議に感じた事がひとつある。

一週間前の処置室で医師から、今後、内科検診を受けて、薬を処方されるようになるが「お酒はやめましょう」と言われ

「わかりました」と妙に素直に受け入れることができた。すぅっと言葉が腑に落ちる感じだった。

鋼鉄の意志を持って酒を止めるという感じでもなく、また、ところてんのような柔らかい決意とも違い、

どことなく、ふわぁっとしているが、すぅっと心の奥が納得するような感じで、気持ちが穏やかに晴れた。

今まで、どんな気持ちで酒を口まで運んでいたかは私にしか分からないはずだが、医師からの一言は、それを見透かしているような感じをうけた。

あだちまさし。