捕って食うわけではない

昨日の日没前、鶏舎の近くでイノシシと鉢合わせ。正確に言うと昨日「も」。

私の想像が間違っていなければ先日捕獲したイノシシの兄弟。昨年、連れ立って姿を現していた2頭のうちの1頭だと思う。

体も大きくなり多少警戒心が強くなったのか鶏舎周辺を荒らした痕も玄人っぽく、そこら中にという訳ではなくなった。

防獣ネットから入る足あと、歩くパターン、あと逃げるパターン、そして目があった時の驚き方は秋口に出会ったウリボウと同じ。

昨年はネットをくぐる場所を補修してまわったが今回は少し対策を変えてみた。

現在、ネットの外側に箱ワナが仕掛けてあるのは3本の獣道が交差する場所。先日の1頭は、ここで捕獲した。

先週末、ワナの付近を丹念に草刈りをして、獣道や防獣ネット付近からワナに誘導するように小米を散布しイノシシの行動を観察する。

自分なりに仮説を立て、もしも小米を食べるようならワナへの誘導が可能、警戒して食べないようならネットをくぐり好みの場所へ近づくだろうと。

結果は後者。ただ、小米を散布したルートは避け、荒らした痕もかなり警戒心を強めた様子に手応えを感じた。

昨年は隣接する放棄地にある雑木林に住み着いているようだったので、今度は雑木林付近の境界を徹底的に草刈りして農園の内と外の輪郭をハッキリさせる。

この周辺には「ニラ」が生えているが、昨年はニラに近づくことがなかったので、ここだけは刈らずに残した。

今朝は3日ぶりに侵入した形跡を残していたが、さらに警戒心を強めて控えめに散歩している様子が伺える。

猟期も終わったので以前ほど猟師がワナを点検にくることはない。1頭だが農園での捕獲実績が出来たので依頼した私と依頼された猟師の面目もたった。

体は大きくなったが腹を空かせたイノシシが私の姿を見て逃げ出す後姿には少々心が痛む。

捕って食ってやろうと考えている訳ではない。お互いのテリトリーの線引きをハッキリさせたいだけ。

そんなことを考えながら、今日も時間をひねり出し3時間ほど草刈りをし、農園の輪郭をさらに刈り込んだ。

私の意図するところをイノシシが感じとってくれたら幸いである。

あだちまさし。