渇水で小野湖が干上がっています。
地元の人の間では「ゴルフ場になった」との声を耳にします。長く続く水不足でキレイに緑が茂り、水たまりが点在します。数日前からの雨がふりましたが従来の風景を取り戻すには時間がかかりそうです。
稲作農家さんは収穫の真っ最中。今日の雨で順調だった稲刈りに遅れが生じます。
稲刈りとは、乾燥した「籾(もみ)」を収穫する作業です。収穫時期から逆算して水田の水を切って稲刈りのタイミングを計られます。籾が雨に濡れると品質にも影響しますし、何よりコンバインが雨を嫌います。濡れた籾や藁で機械がつまったり、ぬかるみでの作業は時間と手間が大きな負担となります。
農繁期になると「あと何回つくれるか」と近隣の農家さんは口をそろえるのは、高齢化がすすみ、激しい気候変動や追い打ちをかける物価高など厳しい環境におかれている農家さんの現状を物語っています。それでも「豪雨が続く地域が心配」と被災地に心を寄り添わせることができるのは、おなじ自然の厳しさ温もりを知り、自然と苦楽をともにされてきた農家さんの偽らざる本音でしょう。
「令和の米騒動」がはじまった二十四年夏から二年。店頭からコメが消えて価格高騰がつづいた流れが逆転し、今年の価格は農家さんにとっては大暴落です。ただでさえコストは上がり続けるなかでの生産は厳しさが増しているにもかかわらずです。
長年、いっしょに働くパートさんは稲作農家です。地域の農業の移り変わりや考え方をよく教えて下さります。一昨年の米騒動の際、以前は蔵があるような大きな農家さんほど蓄えたお米を食べていたと聞きました。収穫したコメは一旦保管して、ある程度の備蓄を持って生活をされていた家が少なくなかったといいます。
便利な乾燥機や保冷庫がない時代の備蓄。ひとつひとつの作業に手間暇をかけて丁寧な仕事しなければ良い状態での保管は難しかったはずです。コスパやタイパという単語が飛び交う時代に逆行しているようですが、手間暇を惜しまない丁寧な仕事が暮らしに豊かさをあたえていたように思いました。
本来、農と食は人の心と体を豊かにしてくれるものだと感じます。
2026.9.28 あだちまさし