JAG07563 六さん 8月26日しんあい農園日記


正志の嫁、敦子さんが24日に遅い里帰りをした。迎えに正志がきょうの午後から出て一泊して帰る。正志は昼まで仕事をして、午後からはタクロウ君が出てくるという予定を組んでいた。

正志はわたしの車を使いたいと以前から言っていた。敦子さんの車が不調で、軽四の中古を買った。軽で島原から帰るのはきゅくつだとわたしは思い了解しながらも、少し気になることがあった。

正志の年齢ぐらいでわたしは会社を創業した。やれるか、やれないか見当がつかない冒険であった。子供の幼稚園代も滞るし、もちろん生活費はギリギリであった。どうしても行かねばならない東北の鳴子であったキャンプに参加したときは生命保険を解約して旅費を捻出した。日曜は日ごろできない仕事をする日と決まっていた。会社を興すとはこんなに大変なものかと思い知った。

8月、農園を法人化し正志を代表にした。ここ一年、農園維持費とタクロウ君の給料、4月から正志夫婦の給料を支払うと残りはない。われわれ夫婦は無給で働いている。別にそれが苦しいとはまったく思いはない。大きな志があるし、もう少し頑張れば利益も出るというところまでは来ている。

あえて辛い追体験をしたほうがいいとは正志に思いはない。自分が主体的に仕事に取り組むなかで、通過しなければならない苦労は必ず出てくる。しかし、片道4時間程度の道のり走るのに、軽では疲れるとか思うのならば、それは甘すぎるという気持ちがあり、とうとう言葉に出した。

昼までいつも以上の仕事をこなして、宇部市内の配達をしてから島原に向かう正志の軽四を見送った。弁当も食べずに持っていた。これでええと思った。いま、正志たち夫婦はわたしの自宅に同居して、わたしたちにはわからない苦労をしていると思う。不便なことがたくさんあるにちがいない。それを迂回せず越えていくから強くなれる。午後4時すぎ「着きました。よろしくお願いします」と正志から電話が入った。

01/08/27(月) 04:48 六さん(JAG07563)