51760/51778 JAG07563 六さん 8月17日しんあい農園日記
( 1)  00/08/17 21:59           コメント数:1
       
                                 
農園での生活は自然と上手に生きること。と言うと流行のアウトドア派みたいで 
あるが、一年のうち数日を山で暮らすのではなく、毎日を過ごすということは本 
質的にちがう。                              
                                     
わたしは幼い頃から虫刺されには特に過敏で蚊は大の苦手だった。それが、いま 
では腕や足そして身体のいたるところをアリや虫に刺されている。ブトに目の近 
くを刺された日は片目で生活した。この夏をこえるとある種の自信がつくような 
気がする。                                
                                     
ほとんど毎日ヘビを見る。ヘビには慣れてきたから不思議である。ところがきょ 
うは人生最大の悪寒がした事件がおきた。                  
                                     
農園に夕方帰った。いつも帰ると鶏舎を一巡するのがクセである。見まわった。 
地鶏とチャボの鶏舎も異常がないか確認した。ところが、いつも2羽で動いてい 
るウコッケイ(生後二ヶ月)の一羽が見えない。おかしいと直感した。だいぶ探 
したがいない。遠くの草むらが動いた気配がしたので行った。長靴を履いていた 
から。                                  
                                     
草むらにウコッケイが倒れていた。よく見るとその頭を大きなヘビが飲み込んで 
いる。ヘビは動かない。わたしの推理では、ウコッケイがなんらかのはずみでヘ 
ビに巻かれ頭を飲まれたが、ヘビもその頭の大きさに窒息死した。と思った。異 
様な光景が展開した。と、その瞬間、ヘビがまばたきをした。生きている。生後 
二ヶ月まで成長した雛を頭からジワジワ飲んでいる最中であった。       
                                     
殺そうと決心した。スコップを取りに行き、ヘビの頭めがけてふりおろした。ヘ 
ビは雛をはなした。鶏の頭は白い羽毛に覆われていたが、ヘビの消化液でとけて 
いた。ヘビに巻かれた首は変色していた。それは無残な死に方だった。わたしが 
スコップを持って走ったのでタクロウ君も駆けつけてきた「見んほうがえかった」
とうつむいていた。                            
                                     
自然のなかで生きることは、ファッション雑誌でいうアウトドアではなく、それ 
は厳粛なことだと思った。蜂やムカデにヘビ、アリやハゼの木までを含めた自然 
と生きていくには、無防備ではなく、細心の注意を払いながら一歩を歩まねばな 
らない。                                 
                                     
死んだ鶏にはとても愛着があったので薪を組んで灯油をかけて見送った。もう一 
ヶ月大きくなればヘビなどに殺されることはなかったろうに。残念な出来事にな 
った。あの光景は生涯忘れることはないだろう。               
                                     
明日の朝7時。100日齢の500羽の新入生が到着する。長い一日になりそう 
だ。受入れ体制は万全である。                       
                   00/08/17(木) 21:29 六さん(JAG07563)
 

| 電子メール | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 |

| トップページ | みなさんのご意見 | 元気な鶏の卵です | 箸よく盤水をまわす | リンク先 |