六さん 10月12日しんあい農園日記

昨年の末、この農地を地権者から譲り受ける交渉をしたとき、藤田のおばあさんが言うた「あの場所は、寒くなると川から霧が立ち、あの場所だけが霧に包まれて寒くならない。とてもいい場所ですよ」と。

その霧を毎朝経験できる季節になった。4時半に各鶏舎は一斉に点灯する。わたしの場所からそれをみると、霧のなかにほのかに蛍光燈の白い灯かりが見え、とても幻想的である。この霧は7時半ごろには解消するが、濃い場合には10数メートル先が見えないぐらいである。

霧が晴れたころ橋をトラックが渡りボーリング業者が来てくれた。先日から水が極端に少なくなり、毎日平均200リットルはもらい水をしなくてはいけない状況になった。地下のことなので掘った業者を責めるわけにはいかないが、なにか対策がないかと相談した。水がないという連絡に、自宅から500リットルの水道水まで積んできてくださり、半日、あれこれ方法を考えてくださった。いくつかの方法が出たので、あとはどれを選択するかはわたしの責任になる。井戸は回復しない。というのが残念であるが結論である。

昼前、車検に出ていた愛車が帰ってきた。使いよさは抜群で気に入っているが、唯一の難点はトラックの宿命 雨である。雨の日は助手席にアクロバットのようにタマゴ1000個近くを載せなければならない。ちょっとしたアクシデントで崩れそうな状況で40分も走らなければならない。

河村久仁夫さんからご紹介していただいた車屋の女社長は、2度も新車をわたしに試乗させ、そのあげく「荷台に幌を張りましょう」と肩すかしの提案をした。口は中華になっているのに、和食の店に入ったような心境であった。でも、この判断は正しかった。余計な出費がなく、駆け出しのわたしには実をとることが一番である今の時期だから。今度車を買うときは、面白い提案をされたあの女社長から是非買わせていただこうと思う。

昼、自宅に戻る道中、渡辺バラ園さんを経由してお店で販売するバラを受け取った。バラの花がいつでも安価で買える店。という口コミが地域に広まったとき、タマゴも相乗りで広がりを見せるであろう。反対にタマゴのお客様にバラが売れるという構図もあるだろう。タマゴもバラも専門店がないのが商売としては面白いところである。

午後、広島から永本建設の社長が、農園第3期工事の見積もりをわざわざ持参して説明してくださった。もう鶏舎は満杯状態である。土地の取得交渉は農業委員をとおしてはじめた。隣接の約400坪。ここがこの一帯では一番日当たりも水はけもいい場所である。鶏舎の建築の前に水問題は解決しておかねばならない。

永本さんと話しをしているとなりの部屋では、SOのボランティア7名がサンキューパーティの打ち合わせをされている。掃除の会の相談も出てくる。まさに我が家は集会所となり、大勢が利用してくださるようになった。それが嬉しい。

夕方6時5分ごろ満月が東の山から昇りはじめた。タクロウ君に3分見ていたら山のうえに出るよ。と一緒に月が昇るようすをみた。3分はかからなかった。タクロウ君ははじめて見たようすで「すごい」を連発した。

川霧の中を出勤したタクロウ君は、月あかりの中を帰っていった。

00/10/13(金) 04:50 六さん(JAG07563)


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