JAG07563 六さん 11月6日しんあい農園日記

 

きょうは1100個の産卵の壁をこえた。もうこの数になると集めるのも、検査して箱に詰めるのも体力仕事になる。重い餌を各鶏舎に運び込み、翌日はそれがずっしり重いタマゴになってくれる。

3ヶ月前、腰の骨がでるほど痛んだ鶏を見つけて、死ぬまでは飼ってやろうと隔離していた鶏がしだいに回復した。いまはチャボと同居しているが、少し足が悪いことと、仲間はもう大きな赤玉タマゴをうんでいるのにこれはタマゴをうんだことがない。きょう、先日入れた95日齢の300羽のなかに入れた。わたしは毎日世話をしてきたので、大勢のなかでもすぐ見つけることができる。まぁ、仲良くしているので安心した。

12時前、レストランにタマゴの配達に行った。考えごとをしながら漫然とタマゴ50個を両手で抱えて入り口の階段を昇るときつまずいて転んだ。転んでもタマゴのケースを放さなかったので、足と腕を擦りむいた。約半分のタマゴが階段やわたしの顔とシャツを汚した。ちょうどランチタイムの玄関、すぐに始末しなければならないと判断して厨房でキッチンペパーを借りて汚れを落とした。割れたタマゴをすくいながら情けない気持ちになったのは、たくさんのタマゴを割ったことではなく、階段にはいつくばっているわたしの姿にそう思ったのかもしれない。自分で決めた道を歩んでいるはずなのに。

人から「前の仕事はなんですか」と尋ねられると、印刷関係の仕事です。と答えることにしている。聞かれることはあまり愉快ではない。知人で、現在の自分を語るために、最初はこんな職業から出発した。と必ず枕詞をつける人がいる。それは、なにかしら「箔をつけたい」という意図を感じることができるから好きではない。

わたしの心にわいた「情けない」という言葉が、どこから出ているのか。もしかして、変なプライドがそう思わせたとしたら嫌な自分である。意外なつぶやきを聞いてしまった。

帰ると岡山の娘が帰省しており嬉しかった。

00/11/07(火) 05:13 六さん(JAG07563)


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