JAG07563 六さん 12月28日しんあい農園日記

 

世間では御用納めの職場が多い。昨年までの28日はわたしも大掃除を終日していた。日曜とか正月とか区切りがないので、なにかしら気持ちのうえで節をつくることが生活のペースをつかむことになろうかと思う。

毎日千数百のタマゴを採卵、検査と何度も指先でつかんでいると指紋が消えて、指先の神経がピリピリと過敏になりはじめた。家内も同じで、症状は悪くいまのところは薬局の塗り薬と、夜は手袋をして休んでいる。

農園に通う近道で気になっている場所があるので、タマゴを運ぶ気ぜわしい時間だったが車を停めて山道を歩いた。案の定、鶏が放し飼いにされていた。この場所を通過するたびに鶏の声が聞こえていたが、まさかこんな場所で飼う人もいないだろうと思ったらその人物もおられた。

お仕事が朝と夕方だけなので、日中なにか働きたいと思い数年前からここで20羽の鶏を飼い、ご近所にタマゴを買っていただいているという。20羽だから売り上げもわずかだろうに・・・・でもいい顔して鶏の世話をしておられた。お店で下関行きのタマゴを積み込み師走の国道を走った。南風泊市場周辺は活気を通り越して戦場のような雰囲気である。鮮魚の大型トラックを道路の真ん中に停めて魚を網で他のトラックに積み替える風景。ゴム長のおじさんが大声で携帯電話で話している。トラックと人間がざわざわと交差しながら師走の最後を懸命に動いていた。

市場の食堂の戸を開けたら「あっ、タマゴ屋さん」とおばさんが声をあげた。わたしが160個運んでくるのを待っておられた。夕食時間までにこの全部を使ってタマゴ焼きをつくるそうである。タマゴの味はいかがでしょうかなど愚問を発すると「そんな味わうお客は誰もおらん!」と仕事をはじめた。

望月さんの加工工場に着いた。ここでも出荷待ちの ふく刺しのダンボールが通路いっぱいに並べられ、従業員のみなさんはもう真剣な目つきで無駄のない動きをキビキビしておられた。

正月の魚を送り出す魚市場はまさに戦場。しんあい農園も毎日が慌ただしい。それは嬉しい悲鳴であり、みなさんに支持していただいている証である。

タマゴが品薄になり「完売」のお詫びを張り紙する日が続いている。求めてこられるお客さまに申し訳ない。家内が「5キロ痩せた」というが、そうだろうと思う。

00/12/29(金) 05:56 六さん(JAG07563)


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