龍月園（造園業）の藤本さんには真民先生の石碑の建立や、農園の植栽でお世話になった。そのご縁で水が足らないときは井戸水をもらいに気軽に行ける関係になった。年末「あんた少しだけ資金を出さんかね」と、藤本さんが自前のユンボで井戸を掘ろうと持ちかけてきた。

朝、龍月園のユンボが到着。山羊小屋のそばをグングン掘り出した。４メートルも掘ると水脈からチョロチョロと湧きはじめた。ここに井戸をつくろうという計画である。

昼前タマゴをお店に運ぶ途中で、消防団、警察官、猟友会に近隣の人が集まり山に入ろうとする光景に出くわした。てっきり熊が出没したと思い、前からきた郵便配達のバイクをとめて尋ねたら「年末２７日から近くの老婆が行方不明で、これから山狩りをする」という。痴呆らしいが生きておられるとは思えない。

午後から山口市内の配達。井戸が気になり農園に戻った。だいぶ工事は進んでおり藤本さんも上機嫌である。きょうのお礼にタマゴを軽トラに黙って入れておいた。５時前、サイレンが鳴り始めた。火災が発生したようである。ニコニコしていた藤本さんの表情が変わり、携帯電話で確認をして「行くから」と軽トラは猛スピードで走り出した。ほどなく消防団がサイレンと半鐘を鳴らして出動した。

正志が明日島原に帰るので酒盛り用に頼んだオードブルを柳屋にとりにいったら、板前の主は消防で仕事をそのままにして出たという。山狩りや火災、田舎に生きる人の団結力のおおきさを目の当たりにした思いがした。

01/01/07(日) 05:23 六さん(JAG07563)