JAG07563 六さん 1月9日しんあい農園日記

農園から遠くないところに元小学校校長のご自宅がある。わたしが農業を志したとき「うちの山を使わないか」と、無償で貸してくれると言い出した方である。背筋をいつもピンと伸ばし、晴耕雨読の生活をしておられる。先生からの年賀状に正月から考えさせられている。

中学生のお孫さんが使う歴史教科書の頁をめくりつつ、日本はこうまで悪い国なのか。と涙がでた。いつか、なぜ戦争をしたのか本当のことを話してやろう。と心中を吐露されている。

戦後(昭和26年)生まれのわたしは戦争を知らない世代である。その時代を生き抜いた人たちが関わった戦いを、安易に侵略だったなどと批判はできない。でもアジアに対していつも歯切れの悪い日本にはうんざりしている。

そのうんざりは、例えば南京虐殺事件。40万人とも50万人もともいわれる市民を大量虐殺したといわれる事件が「あった」という説と「それはなかった」という説が日本で交錯しているところにある。中国の歴史に刻まれている出来事が日本では「ある」とか「ない」とかのレベルで論じられるうんざりである。この程度の通過点で世紀をこえた日本が、対外的に信用を得ることはまずないと思う。

宇部市で昭和17年に発生した海底炭坑水没事故(水非常)において183名もの犠牲者があり、うち130名が朝鮮や中国の人であった。宇部は炭坑で繁栄したと歴史の副読本で教えられたが、一度に183名もの犠牲者が出た事故があったという記述はない。いまでも市民の大部分は知らない過去である。

炭坑のシステムは、朝鮮人が朝鮮人を腕力で管理してノルマを果たすという、日本人は手をなるべく汚さずに生産し、その代価は炭坑内の売店でしか通用しない金券で支払い賃金を搾取するという知能犯的な仕組みが存在している。

その炭坑が50もあり、宇部村と呼ばれる寒村が一躍宇部市に昇格した。どうしても炭を掘らなければならない国策がまずあった。そのあたりから歴史をヒモとかないと、黄金時代だけにスポットをあてるから歴史は曲がってくる。

01/01/10(水) 04:48 六さん(JAG07563)


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