JAG07563 六さん 7月11日しんあい農園日記

午後、家畜保健所の職員3名が調査に来た。今年は法定伝染病に指定されているニューカッスル病の発生が全国的に多いので気をつけるようにという指導である。この病気が出ると鶏はすべて処分しなけらばならないし、マスコミなどにもとりあげられるので、養鶏にとっては壊滅的な事態になる。

12日ごとに餌を運んでくるのは5トントラックである。バルク車と業界では呼ぶこの車は、設置した餌タンクに金属の筒を伸ばして餌を入れる機能がある。このトラックが橋を渡ったので挨拶だけはしておこうと、鶏舎に入る足をとめて待っていたが着かないので外に出て見た。運転手さんがタンクを背負ってタイヤになにかをかけている。そばに寄って聞いてみると消毒液という。外部の雑菌を農園に持ち込まない「責任」として毎回しているそうである。最後は運転手さんの靴に液をかけて終わりである。プロ意識を見たような気がした。

病気といえば先日、まるで火傷の水泡のようなものが足にできて歩けなくなった鶏を発見した。この鶏は近所の方が食べるというので差し上げた。それが、同じ鶏舎でまた同じ症状の鶏が出た。おそらくなんらかの原因で傷がつき、それが化膿しているものと思われるが、多少気になるので原因を調べてもらおうと思い、中山養鶏の専務に相談した。

返事はすぐ返ってきた「放血した検体を送ってください」と調査機関を紹介してくださった。ということは殺して血を抜くということである。やりたくないが、やらなければはじまらないので午後からやった。

大雨の中なので、鶏に ビニールをかぶせてその上からヒモで足を縛り、人目につかない場所ということで河原に降りて、そのヒモを木の枝にくくりぶら下げたナイフはよく切れる。気管を切ると呼吸ができないので暴れるから、動脈を切ればいいとは理屈では知っている。つぶらな目でわたしを見ている鶏を殺すのはいい気持ちでない。力を入れて引こうとするけど、その瞬間に力が抜けて、ためらい傷程度を2回つけた。鶏が暴れはじめたので3回目は腹を決めてナイフをひいた。鮮血がポタポタと川砂にすいこまれていき、すぐ鶏は目を閉じた。

全体の健康や安全を守るためには、人に見られたくない、自分でもやりたくないことをやらなければならない。これも責任のひとつであると言い聞かせた。

01/07/12(木) 04:43 六さん(JAG07563)


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