六さん 9月12日しんあい農園日記


狂牛病の陽性反応が国内で出た。原因はこれからしぼられて対策が講じられると思う。いまの時点では餌---飼料のなかに牛の骨粉があり、それではなかろうかということである。骨だからカルシュームとしての混入であろう。

昨年驚いたことがあった。農園で買っている飼料の表示に「動物性蛋白質」という項目と「フェザーミール」という名前があった。販売店に電話で聞いてみると、動物性蛋白質の内容は、廃鶏を粉砕して骨・肉・血液までも入っており。フェザーミールは鶏の羽毛や羽根、つまり捨てるべきものを栄養価値をつけて使いまわししているのである。それが餌の常識のようだった。

鶏が鶏を食べるということに驚いた。久住町の荒牧さんのこだわりは「全植」。餌が全部植物であると聞いていたので問い合わせた。5万羽もの鶏がいるので、メーカーにオリジナルブレンドの餌をつくらせ、蛋白質は「キナコ」であるといわれた。さっそくメーカーに交渉をはじめたが、わたしの規模ではオリジナルは到底無理である。ならば、どこかキナコを入れている養鶏場の餌をわけてくれないかという方法でさがした。遺伝子組み替えなしのトウモロコシも条件に入れた。いま、農園の鶏はその餌を食べている。

鶏が鶏を食べるという構図は、それが鶏の健康に必要だからではなく、廃鶏の処理や、捨てるよりいくらかでも売れたほうがいいという商業道徳がまかりとおっているからだと思う。人の心が人の身体を壊している。

先日つれあいを亡くされたSさんがひとりで稲刈りをしている。一年間、いろいろな小言を言われ続けてきたが、遠目にもさびしそうに見える。散髪にいくときも刈っておられたのでトラックを停めて田んぼまで歩いていった。「お寂しいですね!」と声をかけた。Sさんもコンバインのエンジンをとめた。「奥さまは何歳でしたか」と聞くと「75じゃった。脳梗塞で20年寝ておったから、ずっと食事とシモの世話をした・・・」。もう一度「お寂しいですね」と言ったら「酒の量が少し増えた」と寂しげに笑われた。今度からはSさんと仲良くやってゆこうと思った。

夜、菊川町の願王寺 西村住職から電話があった。スカイダイビングと鶏を飼うことが趣味で名前が知られている。200羽近い鶏が裏庭で飼われている。テレビなどでは「空と飛ぶ住職」として登場することがある。レイテ島上空からお経をあげて慰霊しながら舞い下りたというパフォーマンス?もやる人である。「来週火曜、TBS午後7時から8時まで、タマゴとにわとり、という番組がありオレが出る。あんたの農園も少し出るから・・・」赤坂のテレビ局でモーニング娘と握手して嬉しかったとか、筑紫哲也を見たとか大声で伝えてこられた。そのミーハーぶりがおかしくてひとり大笑いした。

01/09/13(木) 04:42 六さん(JAG07563)


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