JAG07563 六さん 9月14日しんあい農園日記


農園をはじめるとき、農地は五反(1500坪)買わないとわたしは農業従事者になれないことを知った。だからといってちょうど五反を買うわけにもいかないので、5名の地権者から7反の農地を買い求めた。2100坪の大地主になったわけであるが、購入金額は総額206万円だったと記憶している。

5名の地権者は当初全員「売らない」という態度であったが、何度も通うなかで交渉は成立した。なかでも約1000坪の田は山から湧き水が入り、その沼には毎日イノシシが泥浴びにやってくるような土地であり、利用価値はゼロであったが五反という面積の帳尻あわせで買い求めた。「1000坪、100万円なら買おう」と言ったら「そんなに高く買ってくれますか」と相手は喜んだ。田が使えないので40年前に離農したという。

その沼のような場所を埋立てをはじめたのが7月からである。毎日11トンダンプが往来し、もうほぼ全部が埋め立てられた。道路工事の残土であるから無料である。

夕方、軽トラが来た。近くの人のいいおじいさんである。ハンドルにもたれてじっとしているので気分でも悪いのかと思い走っていったら、早い晩酌をすませてのかいい顔色であった。「タマゴを買いに来た・・・」少し足元がふらついている。座り込んでしゃべるからわたしも側に座って話しを聞いた。

今年の秋は、あんたの埋め立てのおかげでこの周辺ではイノシシの害がまったくなかった。ワシの田も毎年シシが荒らして困っていたが、これだけ地形がかわり、毎日ダンプが来るのでよう出んかった・・・あんた、地続きで土地が要るときにはワシの田を買ってくれんか。そんな話しをされて帰られた。子供さんはおられるが、どの農家も百姓を継ぐ人はいないようである。苦労が報われないいまの農業ではしかたがあるまいが、連綿と維持してきた田を「買わんか」と言う言葉の裏にはやりきれない思いがあろうと想像した。

今夜は正志が泊まってくれるので鶏鍋にした。昆布やカツオで出汁をとり、醤油、酒などで味をととのえて野菜と一緒に一羽分の肉を煮た。まぁこれは絶品であり「こんな鍋ははじめてじゃ」と正志は大喜びで、最後はウドンを2玉入れた。酒もよく飲んだ。

きょうレストランから毎週鶏肉のご注文があった「鶏飯」がメニューになるという。自分たちが食べて本当にうまいタマゴと肉であるから自信をもって売ることができる。

01/09/15(土) 04:21 六さん(JAG07563)


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