JAG07563 六さん 11月14日しんあい農園日記


急に冬がきたような寒い朝になった。自宅を5時過ぎに出て6時前、真っ暗な農園に着いた。といっても鶏舎はタイマーで3時50分から点灯している。日が短くなるまま、自然にまかせていると鶏は冬を感じてタマゴをうまなくなる。気温に関係なく、1日14時間平均の日照時間で鶏たちは常に春の産卵気分になるから。

きょうから「閣下」こと重兼君の実習がはじまる。朝の打ち合わせでも、来春から就職する彼をどう今回は指導しようかと話し合った。彼がバス停に着く8時20分ごろには養護学校から小田先生も農園に着き、彼が川向こうから歩いてくる姿を待った。けど彼は来ない。9時前になるとみんな気持ちが落ち着かない。なにかハプニングがあったことは間違いない。

先生は学校と連絡をとり、近辺を車で捜索しはじめた。バスの終点までも行かれた。小田先生の推理は・・・宇部駅までJRで来て、そこからバスに乗るとき大便をもよおしてトイレに行き、バスに乗り遅れた。という筋書きである。でも彼どこかでパニックになっているかもしれない。

先生がとにかく探しに出ましょう。と農園を出かけたとき「あっ!来た!」と叫んだ。わたしも外に飛び出した。対岸の道路を懸命に走っている学生服がいた。無事でよかった。農園にハァハァ息を切らして着いて、背筋を伸ばし「お は よう ご ざ い ま す」といつもの挨拶をして、その後の言葉が感動的であった。遅れてすみませんでした!と彼の言葉で言った。手に提げた紙袋のなかには長靴があり、それを引きずって走ったので紙袋の底が破れていた。「ほんとうに無事で、よう来たのー」言葉にはしなかったが感動しているわたしだった。

遅れを取り戻そうと、バタバタと服を着替えはじめた、小田先生が「もう慌てないでええから、ゆっくりやれ」と諭す場面もあった。その着替えた服装は、夏の実習そのままで、白の半袖Tシャツ一枚である。「お前、その服はお母さんが用意したのか、自分で用意をしたのか」みんな唖然とした。すぐにわたしの作業服を着せた。

これほど純なヤツはいないと思った。寒くないよう薪ストーブを炊き、タクロウ君に石油ストーブを出させた。

遅刻の原因は、先生の推理どうりであった。けど、パニックにならず、冷静に次のバスで来た。ようやった!正志が彼に名刺を出し「今度からなにかあったら、電話をせえよ心配じゃから」で幕になった。

01/11/14(水) 17:23 六さん(JAG07563)


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