JAG07563 六さん 11月21日しんあい農園日記


薄氷がはっていた。農園の朝はもう冬である。5時40分ごろには出て鶏舎の戸をあけてまわるが、今朝のように寒くても満天の星を眺めながらだと楽である。これが冷たい雨だと気持ちまで冷えきる。タクロウ君の足の指はすでにシモヤケができた。わたしも朝は靴下を重ねて履いている。

8時ごろからタマゴを集める。鶏を飼った人ならば経験があるだろうが、この時期からうみたてのタマゴから湯気がのぼる。その湯気は10数秒で消えタマゴは乾燥する。指先が冷たいのでそのタマゴを手のひらでかかえて指の冷えをとる。鶏舎では、鶏を抱いたら指があたたまる。

その湯気の正体は、タマゴの殻の表面につき細菌がタマゴの内部に入ることを防ぐ「クチクラ層」という。店頭にならんでいるタマゴの賞味期限が短いのは、古いというより、消費者にきれいなタマゴを提供しようとして洗卵機で洗剤まで入れて洗いあげられる。だから内部の無菌状態を保つ期間が短くなる。農園では、よほどの汚れ以外は洗わない。できるだけ無洗卵を心がける。だから、多少の汚れがある。それは、巣箱に敷いているタマゴが転がり出る金網のホコリが主なもので、これは防ぎようがない。「この汚れが気になります」とお客さまから言われると説明する。どうしても気になれば保存そのままでして、使う前に水で洗えばまったく問題がない。

ご存知の方もあろうが、洗ったがゆえに「人造クチクラ」なるものを夏場は塗り長持ちさせる技術もあるが、自然の営みには勝てない。真っ赤な赤玉で、爪楊枝が何本も黄身に刺さり・・・そんなタマゴが「こだわり」とマスコミが吹聴している。自然がええんです。

これから冬の間は、タマゴや鶏の体温で指をいたわりながらの作業になる。昨年は、仕事と家事でアカギレがひどくなり、庄原の林さんから手術で使うような手袋を箱でいただいて悪い時期を乗り切った。いよいよ寒さと真剣勝負の時期がきた。

トヨタの岡本店長と木田課長が来園され、活躍している軽四のタイヤ交換をしてくださった。多くの人に助けられてきょうも終わった。

01/11/21(水) 18:10 六さん(JAG07563)


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