JAG07563 六さん 11月28日しんあい農園日記


この冬で一番の寒波が来る。という予報は外れて、それほど寒くはない朝だった。寒くないのは多分に身体が寒さにしだいに慣れて来ているからだと思う。山羊もいつのまにか長い冬の毛になっているし。

薪ストーブの調子が悪く、きのうシモバンの松本専務がみてくれた。ススどころではなく燃えカスが煙突に詰まっていたらしい。それを掃除してくださったので朝からストーブを燃やした。すっかり冬景色の山間に煙突からたなびくひとすじの煙は、なんとなく絵になる。寒いと石油ストーブもいいかもしれないが、手間をかけて薪を割り、小さい木に火をつけて大きい火にして燃やしていくストーブはどことなく味がある。

重兼君の手荒れがひどくキレている。水を使う仕事もあるが、彼の潔癖な性格で常に石鹸で手を洗う。だからよけいに手が荒れる。正志がハンドクリームを持ってくるようにお母さんに連絡してきょうからクリームをつけはじめた。冷たい。痛いなど一言も言わずに仕事を黙々とする。とにかく真面目な働きぶりに感心している。

午後、沖さんのお店に行きイタリアのさまざまな写真を見せていただいた。何百年も生活している家。きちんと整とんされた農家の生活風景。みな驚きで見せていただいた。漫画家の橋本先生(どてらねこ ペンネーム)はインドに協力隊で行かれた経験から「あまり家の中を整理整とんすると、人間の活力がなくなる。インドはまさに混沌と家中しているが、家族は仲がいいよ」と。でも、やはり見せていただいた、整とんされた生活空間のほうがわたしは好きである。そんなことを考えながらイタリアのお土産話しを聞かせていただいた。

お洒落な店や、美味しいお店、派手な化粧のスナック、便利なコンビニはなくても、見せていただいたトスカーナの田舎では連綿とした田舎の営みが安定して続いている。驚くような話題もなく、いつもの会話が交わされる。これが人間が生きる文化のような気がした。イタリアに行ってみたいと思うが、わたしが大好きな宮崎県の山奥でも俗化されない営みがまだある。要は心豊かに生きることである。

01/11/28(水) 17:02 六さん(JAG07563)


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