JAG07563 六さん 12月15日しんあい農園日記


きのうお会いしたMさん。命が消えかけている奥さまに「元気になったらどこに行きたい」と尋ねた「あなたと四国の歩き遍路をしたい」奥さまがこたえた。

ご葬儀を終え落ち着いたころMさんは歩きはじめた。一日30キロで40日。その距離1200キロ。札所では周囲の景色を見せるように奥さまの写真をふところから取り出し「おい。ここまできたぞ」と奥さまにも見せたと。小学生が「お遍路さん、どこ行くの」と問い掛け、まるでそれが神様からの問いかけに聞こえたこと。うどん屋のおばさんの人情に泣いたこと。たくさん聞かせていただいた。

約半分歩いたころから、お世話になった方のことを最後までの札所で「お幸せに」と祈ることを欠かさなかった。けど、前半お世話になった方の祈りは気がつかないのでできなかった。だから来年、もう一度歩き遍路をやり、お礼を申しながら歩くと言われた。わたしが尊敬してやまないMさんらしい。

わたしも250キロを5日で歩いたとき3回男泣きをした。一回目は午後2時ごろ空腹で一歩も歩けないとき、朝、人からいただいた次郎柿のブランディ漬けがリュックにあることを思い出し、それをガドレールの内側にねじ座ってむさぼりながら「俺は生かされている」と涙がこぼれてしかたがなかった。次は、高千穂から外輪山をこえて阿蘇内牧におりるとき、カメラをどこかで失い、このすばらしい景色をカメラがないから覚えておくぞ。と歩きながら眼下の景色を見ていたとき感動して涙がポタポタ落ちた。最後は、家内に「これから帰るから」と宮地岳駅から電話をしたとき「お疲れさま」と言われまた涙がおちた。

Mさん、いまは一緒に歩けないが。わたしはあなたが歩いた四国をいつの日かきっと歩きます。そんなことを考えながらきょう一日を終えた。

01/12/15(土) 17:43 六さん(JAG07563)


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