51151/51153 JAG07563 六さん 8月3日しんあい農園日記
( 1)  00/08/04 06:53                          
                      
       
               
                                     
世の中「なんとなく」が多い。タマゴで例えると「白いタマゴより赤だよね」  
「やっぱり有精卵ですね」という具合である。なぜですか?と聞いてみたらあい 
まいな答えしか返らない。殻が白でも赤でも中身は同じ。有精卵---厳密には雄 
一羽に雌10羽でないと完璧ではない。そのうえ無精卵と栄養価を比較してもま 
ったく差は出ない。でも農園のタマゴは赤玉で、その上雄の鶏もいる。見学にこ 
られた人全部とタマゴ談義をするのが面倒だから。              
                                     
しかし雄鶏は手がかかる。導入した日、雌と一緒に小屋に入れたら雌の総攻撃に 
あい血まみれになった。放置しておけば殺されるので雄だけ隔離した。そして雄 
の成長をまった。ある程度の大きさになったので群に放すとさすがに雄としての 
貫禄を示すまでになった。                         
                                     
当初に入れた群(150羽)に雄がいないので、雄をきょう放してみた。この群 
の雌は雄より30日齢年増である。体格は雄のほうが大きくなっている。ところ 
が、雄を群に放すと一斉に攻撃をはじめ、雄は隅に追いやられつつかれて背中か 
ら出血をしたのであきらめて捕獲した。同じ日齢ならばバランスよく同居できる 
が違うと難しい。わたしたち夫婦は、姉さん女房(約360日齢)なので、鶏だ 
ったら生きておれなかった。                        
                                     
まんがを描く方が来園された。昔、青年海外協力隊としてインドに鶏の雌雄鑑別 
技術を指導に行ったことがあるという経歴の持ち主。話題は掃除になった。その 
方は「あまりきれいになると生きる元気が失せますよ」と言う。環境が整ったヨ 
―ロッパより、混沌としたインドのほうが自殺する人は少ないし、家族の絆も強 
いという。一理あるな―と思った。                     
                                     
母子家庭で育ったわたしは、小さい頃から何軒もの家に預けられた。あるとき、 
当時は成長産業だった炭坑の長屋に住む方に預けられた。大家族で家のなかは雑 
然としており、おしめをあてているおばあさんはいつも臭かった。雨の日などは 
汲み取り式便所の臭いが強烈だった。いまでも覚えているから相当なものだった 
と思う。                                 
                                     
でも家族はいつも仲がよかった。「としちゃん」「たけちゃん」「ゆきちゃん」 
という3兄弟は、わたしを弟のように可愛がってくれた。とても居心地はよかっ 
た。石炭の粉で真っ黒な顔をして帰るおじさんは、わたしのことを「すっちゃん」
と呼んで、いつも膝に座らせてくれた。                   
                                     
たしかに「生きる元気」は、その雑然とした長屋には充満していた。考えこんで 
しまった。                                
                   00/08/04(金) 03:59 六さん(JAG07563)
 

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