JAG07563 六さん 3月8日しんあい農園日記


10年ぐらい前にある季刊紙を出していた。取材に全国を歩きそれは楽しかった。仲間も多くできた。そんなとき、当然この方はわたしに共感してくださりお手伝いしてくれるだろうと連絡をした「毎日を丁寧に生きていきたいので」と断わられた。俺がやっていることは乱暴か。と内心その答えに穏やかではなかった。

この7月でまる一年、宇部掃除に学ぶ会に参加をしていない。参加したくても出来ない事情がある。わたしが前夜から自宅に帰り、掃除を終えて翌日の昼ごろに農園に帰るとたくさんの仕事がたまっている。それが納品先に影響をする。目前のことをきちんとやりきるには、あれもこれもと目移りはできない。それを丁寧に生きるというのであろうか。

昨夜、お掃除仲間で醤油屋の林さんが7時過ぎに突然来られた「せっちゃん(奥さま)に、一度は楽しい旅行もさせてやりたいが、朝から夜遅くまで働いても貧乏でそれもできない。でも、消防団や自治会の役もまわってきて、それもきちんとやりたい。ついては、しばらくお掃除の会には出られないから案内状もとめてくれんか」という内容だった。この林さんはタバコをよく吸う。吸いながら自分の気持ちをわたしに伝えようと懸命。

よーわかる!タバコを一本吸わせてくれ。わたしも昔は、ええことを、あんたはなぜやらんか。という責める気持ちが多かった。錦の御旗でつき進んだ。けれど、ほんとうに物事が腹の底から伝わるのは、そんな勢いでは伝わらない。丁寧に生きていくなかで皮膚から染み込むような伝わり方が本当だと最近になって思えるようになった。無理をせずにボチボチやりましょうや。帰って醤油の樽を洗うと農園を後にされた。林さんの誠実な心に感動した。その生き方を実意とも言う。

朝、一羽鶏が死んだ。夕方二羽死んだ。どれも管理的なミスであり、わたしから言わせると殺したようなものである。夕方、死んだ鶏をタクロウ君に見せて「よう反省してくれ。お前の仕事は早いけれど雑である。餌を入れるとき鶏舎のなかを無造作に歩くから、この二羽は足の指を怪我して、その傷口を仲間に突つかれて死んでおる。仕事ができるということは早いことではない。丁寧にやれ。確実にやれ」。歩き方も。食事も。本を読むときも。人と接するときも丁寧が基本である。

02/03/08(金) 19:55 六さん(JAG07563)

 

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