JAG07563 六さん 3月22日しんあい農園日記


Aさんはタマゴのお客さまである「高校に入る長男を農園で鍛えてほしい」と奥 さまから電話があり気軽に受けた。しかし、いろいろ考えさせられる。ご長男が 自分の意志でここで働きたいとは言わないだろう。きのうは祝日で父親が連れて 来られた。土日のお約束なのでお断りしたら「せっかく来たのに」と息子は言っ た。もう一言言葉を続けたら我慢ができなかった。放っておいては仕事にならな い。誰かが面倒を見なければできないのである。雨のなか、下関配達の荷物を仕 分ける作業に没頭している時間だった。

10数年前、非行にはしり手がつけられない息子に正面から挑んだ父親を知って いる「おい、歩いて話そう」と家を出て夜道を親子は歩きはじめた。父親は言葉 が見つからないまま黙って歩き、息子はしかたがないので後にしたがった「朝ま で歩いたら萩につきました」と父親は言った。ふたりとも足が棒になり駅のベン チで帰りの電車を待ったという。意図して歩いた80キロではない。

農園で鍛えるなら親子丼でならできると思う。親子で汗を流して働いたらどうな るか。そんなことは俺はわからん。やってみないとわからんが、なぜ一緒に汗を 流そうという発想にならないか。ある非行少年の親はわたしにこう言った「ここ まで来れば、助けてやれるのに」という意味だった。子供が来ないなら親が渡っ て連れてこい。自分は動かずに「なぜこんな子に」と嘆く親が多い。

さきほど母親から「明日、農園に働きに行かせていいでしょうか」と電話があっ た。なんで本人がわたしにそのぐらいの電話ができないか。出なくてよい場面で は親が出て、出てほしい場面では親は出てこない。

来園した女性や子供に対して威嚇するオス鶏が一羽いた。まぁ黙認していたが、 今朝、雨のなかを歩いているわたしに威嚇のポーズをした。おおいに頭にきた。 荷物をおいて追いかけた、とことん追いかけた。田んぼのなかで鶏の体力が消耗 した。口をあけて息をして立っている。サッカーボールのように蹴りあげた。ど ろどろになって倒れた鶏をもう一度蹴りあげた。もう絶対に人に威嚇することは ない。夕方、わたしの姿を見て逃げ出した。鶏の教育を人にそのままあてはめる ワケにはいかないだろうが。

 

02/03/22(金) 19:22 六さん(JAG07563)

 

 


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