JAG07563 六さん 4月4日しんあい農園日記


高校を終えて播州一宮町に働きにいった。30数年前のことになる。寮生活では明治生まれで海軍魂の社長に鍛えられた。寮母のハルさんは、社長には生タマゴをつける。寮生にはタマゴは一度も出たことがない。食べたいと思い、夜中に台所を探した。米びつの中に隠してあったタマゴを発見して食べたぐらいだから本気だった。ハルさんが城崎の実家に帰る日は、愛用のポーターキャブの鍵がどこにあるかぐらいは知っていたので、姫路や山崎のパチンコ屋やドライブインで酒を飲んで運転していた。まだ飲酒運転は寛容な時代だった?ハルさんからわたしは嫌われていた。

道の駅「於福」には温泉があり400円で入れる。きょうも全部の配達を終えて立ち寄った。何度か気になっているマツダのポーターキャブが停まっていた。運転してきたおじいさんに話しかけた「何年お使いですか」。ナンバーは白だから当時のままである。

新車で買ったのが36年前。おじいさんの年齢は89歳。仕事は現役で美祢市内の酒屋で取締役という。走行距離は何回メーターがまわったか覚えていない。風呂場まで一緒にはいり話しを聞かせていただいた。なんでも大切に使うことが一番。車も身体もそうである。昔のモノが全部よいとは言わないが、今の車のボンネットをあけても構造がわからん。この車はよう知っている。国産車がないころからフォードやダッヂなど乗り回した。戦時中には薪でトラックを走らせたし、その後は炭でも走った。道は舗装したところはまったくない。離合する場所も少ない狭い道だった。不自由を知っているから、今の便利さがありがたいし、それを追い求めたいとは思わない。わたしの満足でいい。

風呂を出るとき洗い場で洗っているじいちゃんに声をかけて出た「元気で。またここであいましょう」と。じいちゃんは笑顔で手をあげた。

02/04/04(木) 18:06 六さん(JAG07563)

 


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