JAG07563 六さん ４月１６日しんあい農園日記

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昨夜からの雨で川は増水した。２年前のいまごろトレーラーで運んだケヤキやモミジが勢いよく葉をつけている。一雨ごとに山も緑の勢いを増してくる。

Ｎ君が自転車で８時過ぎに来た。作業服に長靴、作業帽もかぶって、自転車のカゴには雨具とお母さんからの弁当が入っている。自転車から降りて直立の姿勢で「おはようございます！よろしくお願いします！」と大きな声で言うから、わたしのほうがとまどうほどだった。

朝礼で自己紹介、名前と年齢を言ったので質問した「テレビは何を見るかね」。僕は野球です、昔から巨人が好きです。「好きな食べ物はなにかね」。僕はなんでも食べます。「藤野さんからカラオケが好きだと聞いているが、どんな曲を歌うかね」。僕は演歌です。坂本冬美が好きです（俺と趣味が一致）「天童よしみは好きかね「いえ、好きではありません」。めんくいであると思った。

稔君が来たので「挨拶をやれ」と言うと、稔君の前に立ち自己紹介をして「よろしくお願いします」と頭を下げた。３９歳の男が１８歳に素直に頭を下げる。こんな胸がすくような場面があるだろうか。「やれるかどうか、そういう気持ちはなくして、やれるように指導してくれ」とタクロウ君に頼んだ。「Ｎ君！気分が悪くなったら俺たちはどうすればいいのか」と尋ねると。いや、僕は少し休ませ てもらえば大丈夫です。と笑った。

４時半前に配達から戻った。雨の中を傘をさして橋を渡ってバス停に向かう稔君に手を挙げたら、彼も手を振って応えた。タクロウ君にＮ君はどうだったか。と尋ねると、よく仕事を理解して確実にやってくれますよ。と言う。タクロウ君は小走りで車に乗り込み９時半までの夜学に向かった。わたしは、あれほど勢いよく学校に行った日は一日もない。カッパを着込んで「お世話になりました。明日 もお願いします」とＮ君は自転車で家路についた。Ｎ君！１００点じゃ！

夢に描いていた農園が近くなったような、とてもよい気持ちになり缶ビールをひとり飲み干した。

02/04/16(火) 18:02 六さん(JAG07563)