JAG07563 六さん 5月3日しんあい農園日


あるお店にタマゴを届けた。受取りサインをいただき車に戻ると「あんたタマゴ屋か!」と目つきが鋭い男に呼びとめられた。なにか用か。と聞くと「俺はここの厨房で働いているが、新しいメニューを考えた末、赤鶏のガラ(骨)を使いたい。ガラはあるか」と言う。それなら今の正肉(骨を外した肉)ではなく、マル(内臓を抜いたモノ)を使えよ。肉も骨もとれる。と相手に合わせて無造作に答えた。

「それが、実は骨の外し方は自己流でようわからん。ガラだけ手に入らんか」この言葉にわたしは感動した。なんと正直な男ではないか。大丈夫、俺の息子が方法を教えるから農園に勉強に来んか。ニヤリと笑顔が出た。歯並びは悪いが笑えば無邪気な顔になる。名刺を渡して、いつでも都合がよいときを連絡せい。男は頭をさげてズボンのポケットに名刺を押し込んだ。名刺を受けたら名前ぐらいは言えよ。と言い名前を聞いた。農園流の鶏料理一式とタマゴ料理を一緒に食べ、骨の外し方覚えて帰ってもらおう。板前として働きながも「骨の外し方がわからん」と素直に言う男は、見栄、プライドを捨てても学びたいと思ったのだろう。

別れてから社長の携帯にこのてんまつを連絡した「そうか!嬉しい!よろしく頼むから」と。後から社長からも「農園で勉強してこい。頑張れ」と応援されたら男はまたやる気を出すだろう。プラス思考はプラスに展開させなければ。

きのう汗をかいた。配達先に向かう細い農道に軽四トラックが堂々と停まっていた。4軒ほど農家があるのでクラクションを何度も鳴らしたが反応がない。車を降りて一軒の農家に行って尋ねると、おばあさんが「裏でシルバーセンターが仕事をしているから」と言うので裏に行った。実は裏山で草刈りをしているご高齢者のことで、裏山までは相当な山道を越えた。やっと現場にたどりついたが「その車は関係ないわい」ということでまた山を越えた。車に戻ったらおばあさんが 軽四に乗り込もうとしていた。もう怒る気持ちも疲れで失せていた。警笛を連呼するわたしとちがい、田舎のリズムはゆっくりだった。

02/05/03(金) 16:39 六さん(JAG07563)

 


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