六さん 5月20日しんあい農園日記


五月晴れと予報があったので朝から屋根に布団を干した。

農園の仕事は午前中が忙しい。夜明けと同時にコロコロと採卵室ではタマゴが転がり出る。わたしは6時ごろから鶏舎を歩きまわり仕事をはじめる。昼までに3000個近くのタマゴを集めて、ヒビや汚れの検査をする。終わったタマゴはお店から受け取りにくるのでそれに託す。きょうは敦子さんが来てくれた。午後から梱包して全国のお客さまに発送準備がお店ではじまる。

稔君はバスの都合で8時半ごろの到着になる。西君には8時から5時の勤務でお願いしたが、先日から7時半から4時半に変更させてもらった。30分早く彼が仕事をしてくれるととても助かる。先日、西君の仕事を正志が点検したら「完璧」という成績だった。タマゴを数える仕事はできないので、鶏舎ごとに箱に入れるまでをしている。たいへん力になる。

稔君はだいぶ仕事ぶりが板についてきた。指示を真顔で受け「はい」と返事ができる。こんな出来事があった。稔君は無口で決して自分から会話をしないが口をひらく場面がある。それは昼に弁当を食べるとき「シャッターを閉めてよいか」と必ず聞いていたという。気候もあたたかくなったので「開けておけ」と言うと落ち着かない表情でご飯を食べ、終わったら一目散に走っていった。正志が追いかけて「どうしたか」と尋ねると。どうもシャッターの向こうでたまに弁当が欲しくて吠えるビーグル犬が怖かったのが原因だった。だから閉めてもよいかという言葉が出ていた。

稔君がここで働く前から番犬だった犬だから、稔君が怖いからといってもどこかに移すわけにはいかない「慣れろ」と正志が強く諭した。涙を流しながら「慣れます」としゃくりあげたという。慣れることは大事である。社会生活を営むなかで、いつも犬を避けるわけにはいかない。みんな一長一短あり、補いあい、励ましながら農園は歩んでいる。

02/05/20(月) 16:57 六さん(JAG07563)


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