JAG07563 六さん 5月28日しんあい農園日記


15番の鶏舎には、わたしが「仏さま」と命名した雄鶏がいた。目つきがとても柔和で、いつも同じ場所にたたずんでいる「処分しておけ」と正志に言ったが、正志もこの柔和な表情には手が出せないでいた。有精卵、つまり交尾は大きな雄が雌の背中に乗り、肛門付近から出る精子を雌の肛門付近につける。瞬間的な行為で、その一回の交尾で10日ほどは有精卵をうむ。雄は一日中、そればっかりが仕事であり、うらやましくもあり、アホらしくもある。

この仏さまは、まったくその気が起きない。処分するのは簡単であるが、別の群れに入れてみた。そうすると急に目ざめて男になった。仏さまがやる気を出した。いまでは一番の好きモノになっている。終日走りまわって恥も知らずにメスを追いかける強姦魔になった。習性がまだわたしにはわからないことが多い。

5時間半。山口市内を走りまわった。4時半過ぎに農園に戻るとタクロウ君が登校の準備をしていた。最近は派手なアロハシャツを着て登校している。わたしは、運転だけなのにバテているが、彼は、今が朝のような元気で学校に行った。すごい体力と気力である。

とにかく冷蔵庫からビールを出して、まだぬくい風にあたりながら飲んだ。5時に冷たいビールが、大自然のなかで飲める。これほどの贅沢はないと思う。西君は月一回の検診日で休んだが、いつも「お母さんが服を買ってくれた」「お母さんと買い物に宇部に行った」と、会話と笑顔で雰囲気を和ませてくれる。稔君も仕事に慣れて真剣に一日の仕事を黙々とこなしている。世間の尺度でいえば、わたしも含めて不揃いの農園仲間が、毎日4000羽の鶏をちゃんと世話ができて、そのタマゴも全部売りきっている。その農園の夕暮れは最高の幸せである。今夜もホタル見物が部屋からできる。

02/05/28(火) 18:33 六さん(JAG07563)


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