いまは午後８時１０分前。風呂も晩酌と夕食も済ませ。聞こえるのはパチパチという外の火が燃える音だけ。明日は午前中は雨という予報なので、きょう事故で死んだ鶏を二羽燃やしている。

きょうも一日が長かった。明日は唐戸魚市場株式会社で、午後一時から一時間「話しをしてほしい」ということで、明日の下関配達分の半分以上を一日早く配り終えた。最後の配達を終えてひと風呂あびて帰ろうかと温泉前まで行ったが、タクロウ君が通学する４時半までには帰れそうなので農園に戻った。派手なアロハシャツでタバコをくわえて「じゃ、おさきに！」といういつもの時間に間に合った。

来客があった「あんたは、ここで生活しているらしいが、自宅に帰りたいとは思わんかね」と唐突に尋ねられた。４０分も走れば帰れることはできるが、汗をかいたあとの冷たいビールを、鳥の声をききながら喉に流し込む爽快感。少なくなったとはいえホタルを窓からながめる贅沢。眠たくなったら寝るというわがまま。静かな夜と気持ちのよい朝。毎日がキャンプ生活のようで、すべて自分でやらねばならない不便さと天秤にかけても農園に軍配があがる。そう返事をしたらあきれた顔をされた。たしかに変人になりかけているのかもしれない。

２９日は庄原から二日酔い覚悟で数名が飲みに来られることが決まった。３０日は長府の田中食鳥の社長と部長が家族で来てくださる酒豪と噂がたかい。静けさと賑やかさと、いいバランスである。今夜は静かである。

02/06/19(水) 19:48 六さん(JAG07563)