六さん 8月5日しんあい農園日記


 

母親は晩酌が生きがいの生活をしている。もう数ヶ月自宅に戻っていないが、様子は正志たちから聞かせてもらう。毎晩2合の焼酎をお湯で割って楽しんでいるとか。もちろん、その前にビールは当然飲んでいるらしい「おばあちゃん、きのうのは35度じゃったよ」と正志が焼酎の度数を話したら「どうりで暑いと思った」と、気温と勘違いしたというので大笑いした。

タクロウ君が「弁当はしばらく断りました」と先週言った言葉が気になっていた。彼の弁当は柳屋(仕出屋)さんが、300円という破格の値段で提供してくれる。法事や婚礼があるとエビやローストビーフが入っている。それに、バナナや桃など果物までつけての価格である。親元を離れて働く彼に、精一杯の応援が300円である。その弁当を断った理由を尋ねたら「量が多すぎる」と言う。暑いし、しばらくは昼食抜きと言う。

タクロウ君。弁当を断るのはおまえの都合かも知れない。けれど、柳屋の人たち は「うちの弁当で不都合がありコンビニ弁当にしたのか」と推察するかもしれない。だいいち、300円であれだけの弁当がいただけることを感謝ができたら、量が多いならば「少しにしてください」となぜ言えないか。20歳のおまえが、炎天下でバテないように親心で量が多くなったと思う。いまは要らないけれど、来月からはお願いします。というのは、正式な客が言うセリフで、おまえが言うセリフではないぞ。相手の気持ちを推し量る練習もせんと大人とは言えない。

県立山口養護学校から職場実習のお願いに先生が来られた。暑いなかをご苦労だと思う。この先生方の熱意で道が開ける子供がいる。正志が応対させていただいた。ご協力ください。と書かれた職場実習についての書類があったのであとで目をとおした「私たちは、現場実習を通して大きく成長します。私たちは、将来、働くことを通して社会に参加することを願っています。私たちにチャンスをくだ さい」と結ばれていた「チャンスをください」というお涙頂戴口調にいまの福祉が見える。障害者とともに生きることで得られることがいかに大きいか。そのことを「チャンスをあげましょう」になぜできないか。高いハードルであろうが、いつまでも日陰に咲く花式では福祉になれないような気がした。

02/08/05(月) 17:43 足立 進(JAG07563)

 


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