六さん 9月4日しんあい農園日記


 

きのう夕方、配達から戻ったら柿木の木陰に車が停まっていた。目ヤニが多くなった稔君を眼医者に連れて行くフリーターの兄貴である。前日に医者に行くからという理由で早退した稔君を、兄貴が迎えを忘れて再度の早退になった。車の中から前を通りすぎるわたしをジッと睨みつけるような視線だったので、トラックを停めて降りた「お前はだれか!」睨んだまま言葉を出さない「降りてこい。おまえが稔の兄貴だということは知っている。歳はなんぼうか!」「二十歳です」と小さい声で返事をした「二十歳の兄貴なら、俺をみたら頭を下げて、稔がお世話になります。ぐらいは言えんのか!」と叱りつけた。

子を見れば親がわかる。ともいう。稔君の母親は4月で辞めてもらった。仕事以 前の基本的なことができない。たとえば、仕事を終えて母親の運転する車で帰宅 する。そのとき配達から戻ったわたしは、橋の手前で道を譲り親子の車をとおし た。母親は会釈するどころか、停まっているわたしの車が見えないかのような無表情で過ぎた。そのぐらいの非常識は茶飯事であった。

わたしの母親は勉強せい。とできの悪いわたしに言ったことは一度もないが「挨拶はだれにでも、大きい声でやれ。それはできるじゃろう」とわたしを育てた。だから住んでいた官舎から出入りするときに必ず通る守衛のおじさんからは挨拶がよくできるとほめてもらった。挨拶で世間を渡ってきたようなわたしである。

どうせ稔は知恵遅れだから。こんな気持ちで育てているように思えてしかたがない。農園では、きのうより少しでも成長してくれことを願っている。ほとんどのように朝農園でウンコをする。洗面していない。会話ができない。医者に行くから早退は当然。基本的な生活習慣を身につけることが稔君の人生で大切なことだと思う。通勤寮にはいり生活指導を受けながら農園で働くという道をさがしてい きたい。このままいつまで努力しても稔君の人生はかわらない。親がかわれば子が変わるのに。

02/09/04(水) 17:43 六さん(JAG07563)

 


| 2002年 | 1月 | 2月 | 3月 |4月 |5月 |6月 |7月 |8月 |

| 電子メール | スペシャルエッグ | 2001年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |

2000年 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |

| トップページ | みなさんのご意見 | 元気な鶏の卵です | 箸よく盤水をまわす | リンク先 | 地図 |