六さん 12月 8日しんあい農園日記


朝おきたら犬が布団に頭からもぐり込んで尻尾がわたしの顔のまえにあった。

重兼君の母親を4時に農園に来させた。春から稔君が働いているが、それは農園に彼が必要だからという雇用関係ではなく、稔君の自立訓練としての就労であり、その思いで接しているけれど、たとえば正志がつくった家庭との連絡ノートが意味を失ったのは母親の姿勢である。家庭と職場が同じ目標で取り組まねば稔君がここで働く意味がない。

少し話をきりだすと「しかし」「だって」「けれども」という言い訳が連発して出てくる母親を叱りつけた。実習ということで通勤寮に入っていたときにはなかった朝のウンコが復活していることからはじまり、基本的な生活習慣にまでおよんで叱った。歯磨きをしない。洗面しない。挨拶をしない。寮ではさせらていたことが家庭では元に戻っている。自立は、この基本的なことのうえに積み上げるもので、親として子供にかける願いはあるのか。大きな声になってしまったが叱 りつけた。

障害をもつ子供の親に、そのたいへんな思いを経験していないわたしが叱るのは、それだけ稔君が社会にとけこめる人になってもらいたいと思うから。難しいことをやれとは思わない。人に挨拶できる力があるからそれをのばし、歯磨きや洗面は出来るのでさせる。その努力を家庭でも職場でも連携していこうということである。結論を出さない会話で終わった。わたしは親以上の思いを、願いを持つことはできない。それは伝えた。

02/12/08(日) 17:38 六さん(JAG07563)

 


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