六さん １月１７日しんあい農園日記

神戸、浜山小学校避難所で約４ヶ月、復興祭で避難所が解散するまでお手伝いをしてから８年が過ぎた。高速道路のフリーパス申請は宇部警察署ではわたしが一番に受け取った。「災害」というプレートをつければ料金免除だった。この神戸でわたしの人生が大きくかわった。価値観がかわった。生きていくなかで何を中心にすえて毎日を生きるか。それを神戸が教えてくれた。

喧嘩・罵声・ため息のなか、真っ直ぐに建っているモノが少ない場所で、地位、学歴、年齢、国籍でもなく、人としての尊厳をもったたくさんの人にであった。反対に、救援物資を運ぶことに大きな看板を掲げ自己アピールをする人も見た。松村さんにも神戸でご縁ができた。自分は、神戸が教えてくれたことに納得がいく人生で生きていきたいと思いはじめた。どうしょうもなく、それが突き上げてきた。

一例を挙げると、届いたおにぎりが半分以上も腐っていた。糸をひくぐらいに。それを片山さんが「配ろう」とわたしを促した場面がある。千人にわたしは配った。当然、抗議が続出した。片山のおばさんはわたしをかばい前に出て言った 「わたしが配れと言った！それはつくった人の心を受け取って欲しかった！」と叫んだ。

朝４時前に目が覚めた。しばらく布団に座り当時を思い出した。この８年はわたしにもおおきなうねりの時間だった。

03/01/17(金) 20:10 足立　進(JAG07563)