六さん 2月 24日しんあい農園日記

きのう稔君は母親に「仕事に出たい」と意志をあらわしたようで一週間ぶりに来た。その前にご心配くださっている。当時は稔君の担任で、いまは農園から車で１０分ほどの美東町小学校の山本先生が、附属養護学校の磯田先生と連絡をとりあって８時半に来てくだっさった。美人の先生が麦わら帽子に長靴のいでたちで。当然、担任されているクラスには出ることはできない。それほど稔君を心配しておられる。橋の手前まで稔君を迎えに出て会話を交わしておられる姿が見えた。山本先生から言われたのか「お休みしてすみませんでした。頑張ります」と挨拶をした。餌入れをはじめてわたしは意外だった。先生が稔君に付き添って一緒に鶏舎にはいり仕事ぶりをみておられる。まさに体当たりの教育だと感じた。

稔君をよろしくお願いします。と何度も頭をさげて１０時過ぎに帰られた「鶏舎もクラスと同じで、落ち着きのある群れとそうでない群れがあり勉強になりました」とも言われた。

ところが１２時前、大声で怒鳴る稔君を発見「うるせー！」を鶏に連呼している。静かに近寄り声をかけた「もう約束をやぶるのか、どうしょうか」と言うと「はい、家に帰ります」と平然と言う。力が抜ける「帰ったらお母さんが泣くでよ」と言うと「仕事をします」と今度は言う。叩いていないか軍手をとり拳を点検してから「よし、やれ」とだけ言った。

夕方５時過ぎに配達から帰ると山本先生が来ておられ正志が応対していた。先生の表情は暗かった「明日は磯田先生がようすを見に来ます。ご迷惑をおかけしますが稔君をよろしくお願いします」と、何度もおじぎをされた。正志に考えがあるようで、それに任せることにした。

03/02/24(月) 20:02 足立　進(JAG07563)