六さん 3月19日しんあい農園日記

この地に入るには、俺の金で土地を買えばいいだろう。という簡単なハードルではなかった。いわゆる地域の同意を得ておらねば窒息するぐらいの田舎である。鶏は臭い、汚い、うるさいと土地を買うことに反対する地域の人を仕出屋に全員招いて酒を飲ませて、土産まで持たせて土地を買うことに同意をとりつけた。そのとき聞かれた「何羽飼うのか」と、多く飼うと言えば反対が予測される雰囲気だったので「２００羽」と答えた。その数をいまでも言う「最初は２００羽と言いながら何羽おるそか」「これだけ飼うなら最初に一筆とっておけばえかった」そのしつこさに一度応酬した「おまえらに言われる筋合いはない！」と追い返した。

それでも地域と生きていかねばならないので、毎月決めた日にタマゴを地域に配りはじめた。ようやく鶏の数は言わなくなった。しかも野菜クズを鶏にやってくれと届けてくれる関係になった。しかし「お宅はようお客があるのう」と言葉が 添えられる。農園の橋を渡る車をみんながチェックしているらしい。田舎は思うほどヤワではない。明日の夜は黄さんと、その悪友が飲みに来る。また対岸から見ているのだろう。大騒ぎしてやろう。

03/03/19(水) 20:27 足立　進(JAG07563)