六さん 6月21日しんあい農園日記

高山清くん（４５歳ぐらいか）。彼が小学生の頃から知っている。カツ丼が好きでよく育った。わたしの会社で営業として働くことになり１５年ほど苦楽をともにした。楽天家で少々のストレスにな負けない性格のくせに、歯医者の治療が一番こわく「全身麻酔で治療してください」と市内の歯科医院に電話をかけまくったぐらいである。あるだけのお金は全部浪費する。わたしと一緒に沖縄遺骨収集奉仕や、ナザレ園にも何度も行ってくれた。酒が過ぎるとすぐに開放的になり脱ぐ癖は場を盛り上げてわたしは楽しかった。沖縄では朝５時前に酔って宿舎に戻り、一番ご年輩の方が寝ている枕もとに仁王立ちになり、その顔に小便をかけた失敗も懐かしい。お掃除の会は第一回からわたしを手伝ってくれた。

明治生まれで厳格な父親のお葬儀。清を一番気にしていた母親のお葬儀。たてつづけにご両親とのわかれに斎場で嗚咽する彼に涙をさそわれた。なかなか結婚のご縁がなく「ボクは結婚はしませんから」が口癖だった。空港近くのアパートで独身貴族を楽しんでいた。夜の街では「高さん」で名前をうっていたという。

その彼に縁談が昨年末あった。きょうは彼の結婚式。とてもやさしい性格と、大勢の異母兄弟に鍛えられた辛抱強さでこれからの人生を歩んでいくだろう。高山清が、出雲市で森山清になった日。

03/06/21(土) 20:39 足立　進(JAG07563)