六さん 11月 7日しんあい農園日記

農園のある田舎では都会では想像もできないことがある。そのひとつに一軒しかないガソリンスタンドのこともそうである。給油設備はひとつ。従業員は午前ひとり、午後から二名。オイル交換には一時間以上を要するのは、ジャッキがなく、車の下にもぐり込んでオイルを抜き取る。車が動いたらと思うと、相当に危険な 作業である。だから、オイル交換は誰も頼まない。パンク修理も工具がなくおどろくほどの時間がかかる。「もしエアーが抜けたらタダで貼り替えますから」と不安そうな顔で見送られる。朝７時が開店なので６時半におじさんは来るけれど、最初のお客が１０時半だったと言う。このおじさんは腕力があり、わたしの力ではガソリン携行缶のフタがあかないぐらいのトルクで閉める。お客の車はほとんどが老人が運転する軽トラ。しかし、これからの時期は灯油がたくさん売れる。でも人手がないので配達が遅れる。洗車はワックス、車内清掃までして３千円。一日車を預けておかないと受けてくれない。しかし、さまざまな売り上げノルマがあり、それは街の店と変わらないようでいつも「辞めたい」と愚痴を言いながら働いている。３００円の洗車機は「試運転」の名目で自分の車を毎日洗っている。

休み時間がとれなくなってきた。眠い運転でも寝ている場合ではないぐらいになった。今夜は少し長く寝てみたい。

03/11/07(金) 19:26 足立　進(JAG07563)