六さん 12月12日しんあい農園日記
冷たい雨に太郎が気がかりで夜を過ごした。
朝4時ごろ物音がしたので小屋に行ったけれどいなかった。わからないということは、まるで鉛を飲んだように気分が重く朝食の味もなかった。
はなちゃんは相棒がいないので昨夜から餌を食べない。今朝も食べずにじっとしている。6時半から外で仕事をはじめても、どこからか太郎が飛び出てくるようで、そうあってほしいと思い続けた。
8時半がまわったころ、西君が外に出たとき「太郎がおる!」と声をあげた。「足
が…」と言ったときわたしは太郎の前にいた。前足の一本に獣を捕るワイヤーロープが食い込み、それが深く足に食い込み足は腫れあがっていた。
まる2日、ワナにかかり食べずに雨にうたれて痩せていた。すぐに軽トラの助手席に乗せて美祢市の獣医に向かった。ボロ車では峠はスピードが出ない、早く医者に行きワイヤーを取らなくては足がダメになる。痛みを耐えてわたしを見ている太郎を見るたびに「生きておってえかった」と涙がたくさんこぼれた。
9時過ぎに獣医に着いた。「足はダメかもしれん」と、レントゲンの用意をはじめてくれた。痛みが大きく麻酔が効かない、10分で眠ると医者は言うけれど意識はハッキリしており患部を触ると痛がる。もう一本麻酔をうたれた。ワイヤーは丈夫であり、医者が用意したペンチやニッパでは切れない。「ホームセンターで工具を買ってきますが、麻酔は何分効きますか」と尋ねると「40分」という。
すぐに車に飛び乗り買ってきた。「わたしに切らせてください」と頼んで「太郎!痛いが辛抱せえよ」と声をかけて外した。今朝、猟師がワナを巡回したとき首輪をした犬なのでその場で切り、太郎はそこから3本の足で農園までほんとうに必死で帰ってきたと推測できる。「先生、いまできる最善のことをしてください」と頼み、栄養剤などの点滴もしっかりうけた。
足に体温があがれば血液がかよっているけれど、冷たいままなら壊死しているから切断になると言う。豚肉と鶏レバー、タマゴを腹いっぱい食べさせて、いまは死んだように眠っている。歩けないから小便も垂れ流しである。
太郎から「なにがあっても絶対にあきらめるな」という無言の教えをうけた。絶対に回復してほしい。大好きな太郎だから。
03/12/12(金) 20:05 足立 進(JAG07563)
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