六さん 12月25日しんあい農園日記

あまり寒くはないと感じても氷がはっていた。

6時半、3頭の犬と真っ暗な散歩コースを歩きながらいい空気に一日のはじまりを感じてくる。きょうは体力の木曜日。11時まで採卵と検査をして車に満載のタマゴを積んで農園を出た。

年末とクリスマスのせいで道路はどこも混み合う。あせりが運転に出てはいけないので「きょうは遅れても構わない」という居直り気分で、近道もしないで走った。

来週の木曜は元旦だけどタマゴは配達させていただきたい。一年のお礼と「元旦もお届けしますから」と挨拶をしながら走った。

農園をはじめた最初の元旦の朝はパニックだった。大晦日は自宅に帰ろうと思いいそいそと帰ったが、朝7時前に農園に着いたとき入り口の橋までたくさんの鶏が出て遊んでいた。鶏舎の戸を完全に閉め忘れていた。何羽か動物に殺された跡もあった。300羽ちかい鶏を捕まえるまで2時間ぐらい走りまわった元旦だった。

約4年の経験を積んだ今では、そのような状況がおきても放っておけば夕方には鶏舎に戻るという習性がわかっているのでパニックにならない。本や養鶏スクールで覚えたことは、養鶏の少しの部分であり、失敗や落胆のなかから対処の方法がわかり、もっといえば失敗しない方法まで身につけてくる。よけいな力を出すことはない。現場で自分が学んだことが一番確かなことである。

美祢を通過して農園に戻る峠を登りはじめたとき、処理に出す鶏を軽トラに積んだ正志とすれ違った。山岸さんからいただいた山形県のお漬け物を「自宅に持って帰ってくれ」と渡した。この時間から長府まで走り、鶏を降ろして宇部に帰れば8時は過ぎると思う。きょうの走行でこの軽トラは定年になり、明日は少しましな軽トラが納車になる。明日の朝処理される鶏と正志を見送った。

03/12/25(木) 20:23 足立　進(JAG07563)