六さん 1月20日しんあい農園日記
山口市の大塚さんと玄関で長い会話になった。
「映像でみるだけですが、あれだけの鶏の命を処分して涙がでました」で始まった。このお宅には秋田犬が飼われていたが昨年病で亡くなった。最後は山大医学部で命を終え(学生への献体)、明くる日は神戸に社員旅行なので医学部が「丁寧に火葬します」と言う言葉にしたがった。
けれども夜中に電話をして「これから引き取りに参ります」と言うともう焼却したあとだった。その犬小屋も生前のまま残し、お盆にお線香をあげて初盆をされたという。いまでも犬を見るたびに、もっと可愛がってやればよかった、と悔いが残る。だから埋められていく罪のない鶏に申し訳ない気持ちでいっぱいになります。せめて供養塔をつくり弔いまでしてほしいです。
次ぎの配達は、山口ロータリー事務局の竹内さん。いつもははずむ会話がなく、椅子から立とうともされない。タマゴを置いて部屋を出ようとしたら「足立さん」と呼び止められた。愛犬が手術をしたけれど血便がとまらず、という話題で昨年「他の医者に行きなさい」とすすめた。その結果は悪性リンパ腫という結果になった。4日ほど前から食事ができず、マルチーズはやせ細っていると泣きながら、やっと言われた。嘔吐と血便がとまらないので、もう長くなもたないでしょう。わたしは言葉に詰まった。
実はいま養鶏農家もたいへんな時期です。いってみれば地震災害のような、自分の不注意ではなく、ふりかかってきた災難のなかをとおっています。わたしは起きてくるすべてを受け入れていきたいと、何度も自分に言い聞かせています。なかなか容易なことではありませんが「運命」はあると思います。それを恨まずに受け入れる、それはたいへん胸が苦しいですが、と言った。
マスコミは鶏問題での経済的なことや感染ルートなどをいう。処分された3万羽もの命もそこにはある。飼育方法、防疫方法など鶏から言わせれば人災である。
04/01/20(火) 20:15 足立 進(JAG07563)
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