六さん 2月6日しんあい農園日記

昨夜から降り続けた雪で、朝は銀世界だった。

「光恵ちゃんは正志がむかえに行くだろう」と思いながら、6時半から仕事をはじめた。光恵ちゃんの家は山の上にあり、ここより凍結が厳しいと正志から聞いている。足が不自由ではあるけれど、軽四は改造しないノーマル車で元気に通っている。今年は冷え込む日が続き、路面が凍結する日は正志が送迎する。

雪を踏みしめての仕事は足先が凍るほどに冷たくなり、7時半前に採卵で使うライトバンの暖房で足を暖めていた。番犬の健太が吠える声が聞こえたので周囲を見回すと、川の向こうから光恵ちゃんが左右に身体をゆすりながら農園をめざして歩いている姿がみえた。

おばさん(66歳)から「雪の日は自分で歩いていけ」と長靴を買ってもらった話は聞いていた。7時前に家を出て、いまここを歩いていると思うと冷たい足を、長靴を脱いで暖めている自分が恥ずかしくなる気がした。

「歩いてきたのか」と言うと「40分かかりました。おばさんが井上商店まで一緒に下りを歩いてくれました」井上商店まで20分かかったという。

「疲れたろう」と尋ねると「腰が痛いです」と笑顔で言う。「帰りはおばさんは来ないのでひとりで登ります」夕方まで気温があがらない寒い一日だったけれど、光恵ちゃんの歩く姿に気持ちはぬくかった。

04/02/06(金) 19:53 足立　進(JAG07563)