六さん 6月3日しんあい農園日記

唐戸魚市場の中尾専務は県会議員でもある。

「どうかね」と市場の事務所で声をかけていただいたので「平成大合併」をこきおろした。この政策は首長と議員だけが不思議なことに懸命にやっている、住民不在の失政だと思っているから。職員削減、議員報酬や本庁舎の位地が論議の争点になり、つまりわれわれの生活はどうかわるのかという実感は届いてこない。

天草郡4町村の合併では、本庁舎が二つもあるという喜劇が実際におきた。昔、山口県旭村は佐々並と明木が合併してできたが、2年ごとに本庁がふたつの地域を移転するという大きな反省を残し、数年前に本庁が明木に落ち着いた。その二の舞がおきている。

長野県では老人福祉を優先する目的で脱合併を唱えている村がある。村の保育園や給食センター、福祉バスを村営から法人に移行して村の負担を軽減したり、あらゆる村経営の努力を住民一体でやっている。漁業や農業は補助金漬けでダメになり、地方自治体は国の交付金依存症でダメになる。

週の山場の木曜をおえた。長距離運転で少し腰が痛い。時計がなかった時代にはモノ売りの声で時間を感じた。わたしの配達も4年をすぎたらそれに近い感覚のお客さまが多くなった。

夕方の美祢では「もうタマゴの時間かね」とか「木曜じゃったね」と時をつげるタマゴ売りになってきたのが嬉しかった。野村證券の守衛さんがタマゴのこだわりを尋ねたから説明した。「あんたは、げってんじゃね」と。ひさしぶりに山口の方言をきいた。「変わり者」という意味である。げってんと言われるとなぜか嬉しい。

4時をまわると冷たい麦酒がほしくなる。麦を飲んだら芋がほしくなる。芋を飲んだら寝てしまう。

04/06/03(木) 20:20 足立　進(JAG07563)