六さん 6月28日しんあい農園日記

毎週火曜日。10個をお届けする独居老人の玄関をあけたら900円お盆に用意してあった。「なんでかね」とそのわけを尋ねたら「あんたに電話でお願いしたろう。きょうはお客がくるので土産に余分に頼んだろう。忘れたんかね」と不機嫌になられた。「そうでしたね！あとから持ってきますから」とお詫びして車のなかで携帯電話の着信履歴を調べたけれどやっぱり記録はない。一時間後に20個持参したらたいそう喜んでくださった。手間はかかったが、その笑顔をみられたことでよかった。

昨夜、岡本さんの会で宮川さんが言うた。「掃除は伝えるものではなく、伝わるものですから…」さすがに輝く言葉だった。手練手管で伝えたとしても、それは一時的なことで続かない。

尊敬している早島の玉井先生から教えていただいた言葉もそうだった。「本部(金光教)に布教部というものがあるが、布教は神さまがされるもので、組織のなかで広めていく、いけるものではないぞ」と。

掃除で人脈をつくり売り上げをあげようと最初に思った岡本さんが、県大会で素手で溝の汚物を丁寧にさらえている「おじさん」に驚いた。あとでその方が鍵山先生だと知って掃除の意味がわかったとふり返られた。

李陽雨(やんう)さんの野太い声のヨイトマケで昨夜も涙がでた。炎天下で鎌を使い草刈りをしていた母。学生寮の便所掃除をしている姿を遠くからみたこともある。その姿にいまわたしは、働かねばと動かされる。男たちを相手に酒を飲んで自慢の唄を歌っていた母からも「伝えられ」宴会は大好きな人生を歩んでいる。

宮川さんの言うとおり「伝わるもの」だと思う。

04/06/28(月) 20:45 足立　進(JAG07563)