六さん 7月27日 しんあい農園日記


ラジオが「猫がアジのひらきのように寝ている」という投書を読んだ。

冷たい場所に身体をひろげて寝ているようすがよくわかる描写である。ただ「暑さで猫が寝ている」という表現より伝わる。こんな表現力を身につけていきたいものだと思った。それは漫然と見るのではなくあらゆるアンテナを張りめぐらせておくことであろう。

藤野先生が面白いことを教えてくれた。

稲が成長してくるこれからイノシシが田を荒らしに夜中にでる。それを察知した家の人は田に向かって「こらー!」とか「わーっ!」とか戸をあけて叫ぶそうである。すると暗黙の順番で、点在する家々からも大声が田にこだまするそうである。藤野先生は百姓ではないけれど、いつのころからかその雄たけび倶楽部に仲間入りして「こらー!」を家族でやるそうである。ご近所の底力が効果があるかどうかは定かではないけれど、想像しただけでも笑える田舎の夜である。

西君の弟からビールのお届けがあった。農園で働こうとしたとき「信用できません」と断りかけたのは、兄を生涯かけて面倒をみるという気持ちがそうさせたのかもしれない。わたしは声をあらげて「わかった、なかった話にしてくれ」といったんは断った。

その後、農園で働く兄の様子を見にくるでもなく「どうなっちょるそか」といい気持ちはしなかった。昨夜、そーめん流しに来た彼は「すみません。兄がお世話になっておりまして」と頭をさげた。思わぬビールが農園に届いたので、お宮の奥さまに弟の住所を尋ねに行ったら「きのうは、島根県の近くまで仕事に行っておったらしいですが、仕事を早々にやめて参加したそうです。兄がこれほど多くの人にお世話になっており嬉しいです」と言うたそうな。

天地がひっくり返るような感動は人生でもまれだろうが、こんな心にしみる感動を、わたしは神さまの働きだと思う。農園をはじめてよかったと思った。

04/07/27(火) 21:00 足立 進(JAG07563)

 


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