六さん 8月1日 しんあい農園日記
3時すぎに目がさめた。
テレビをつけて台風情報をみたら、萩から日本海にぬけていた。枕元には懐中電灯を用意して寝ていたので安堵した。
次に気になったのは、きのう閉めた鶏舎の雨戸である。暑いと食欲がでないのは鶏も人も同じである。5時に朝食をすませて犬を散歩させ、横なぐりの雨のなかで雨具を着て鶏舎の戸をあけて歩いた。それからいつもの採卵をした。雨具を着て動くのでパンツまで汗でずぶ濡れになり、8時前に全部着替えをした。
きょうは終日雨で2回、全部の着替えをした。日曜は配達が一軒なので朝から夜まで、ビンビール(大)2本・缶3本。汗が出るわけである。
時代おくれの松原酒店の商品を、農園のお客さまに紹介する文書をやっと仕上げた。
●市役所から下った宇部港の近くに(時代おくれの酒屋)という風変わりな看板をあげている酒屋がある。松原店主とのおつきあいのなかで、わたしなりに「時代おくれ」の意味をといてみると、今の世の中は、いかに少ない手間で多くの利益を出せるか。この効率でまわっている。この酒屋はそれに逆行している。たくさんの手間をかけてお客さまが喜ぶ商いである。
品揃えの焼酎について酒蔵の考え方、こだわりまでも一本の酒を前に語れるのは、店主みずからコツコツと各地をあるいて納得できる品物を仕入れているからである。
わたしが焼酎を買うときは銘柄を言わずに「芋をください」という。店主は丸太のような腕を組んでしばらく考え「これにしょう」という。常識では相当高価な酒ではないかと思われる銘柄が定価で買えるからおどろく。
俗にいう有名な酒は少ない地方で愛される地元の希少な酒である。わたし自身、焼酎が好きなのは「高級ワインや洋酒とはちがい、安くて、うまい庶民の酒」という理由である。
だから、時代おくれを頼っておかげでうまい焼酎に安くめぐりあうことができる。この酒屋を知っているか、いないかでわたしの晩酌の楽しみに違いが出るぐらいである。
買うときには日本酒でも焼酎でも、あまり銘柄をいわずに、たとえば「刺身にあう芋焼酎」とか「ソーメンとあう日本酒はあるかね」とだけいって任せるのがおもしろい。ワインや泡盛もわたしはこのやり方で調達している。
04/08/01(日) 19:47 足立 進(JAG07563)
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