六さん　12月31日　しんあい農園日記

一年の区切りをおえた。

数日前とくらべても変わりはない農園の営みでも、360日という時間で振り返るとおおきな変化である。1000リットルの給水タンクを鉄骨の上に上げたとか、新車を2台も買えたとかそんな変化ではなく、わたし自身の気持ちの持ちようが、朝から夜まで同じ仕事を休みなく繰り返すうちに変化してきた。特別の研修をするより、暗いなかで採卵をしながら、いろいろな悩みを反芻しながらの連続がよいのかもしれない。混沌とした生活の中が本番である。

いくら著名な方の足跡を聴いたり読んだりしても、それは知識としてのことであり、生活のなかで小さくてそれに近づこうと努力をしているかどうか。もっと繊細な心くばりをしようという姿勢があるかどうか。このあたりが、わたしには課題だなぁと思えてきた。

ある宗教家が亡くなられたあと、遺された手帳に「まだ自分の言葉で語っていない」というくだりがあったと奥さまが記されていた。

「あの方が言われました」ではなく、得た知識を生活のなかで自分なりにあらわして、己の中身、言葉にできるようにならねばいけない。来年は、少ない額でもみなさんに賞与が出せる努力もしたい。

みなさん一年ありがとうございました。

04/12/31(金) 19:48 足立　進(JAG07563)