六さん 平成17年3月17日 しんあい農園日記


下関にお住まいのKさんが言う。「父親が出征するときある神様に参り神職が、わしが生きて帰れるようしっかりお願いする。わしが生きておるあいだはあんたは戦死はさせない」と豪語したそうで、兄弟や両親と仙崎駅から戦地に向かった。

沖縄守備隊から決戦直前に、まだ南方の離島に転身命令があり、移動途中で魚雷を受けて輸送船は沈んだけれど、ちかくの島にたどりつきここで終戦をむかえ戻ってきた。だから、うちの家族はみんなこの神様をいまでも拝んでいるのです」。

いっぽう玉井先生は「神様は全知全能ではないんぞ」と説かれる。Kさん父親の体験はたしかに貴重として、しかし全知全能の神参りをしても大勢の戦死者がある。新潟やインド洋津波の自然災害は記憶に鮮明である。

一ヶ月おくれの春一番が吹き荒れる下関は大新食堂にタマゴをおろすとき、荷台後部ドアを閉めるのに、両手にかかえたケースが重たく苦労して閉め終えた。振り返るとスーツの男性がわたしに傘をさしかけてくれていた。日頃のなにげない光景のなかで神様は寄り添ってくださっている。そんな実感がわいてきた。それは親子の間柄のような雰囲気に。

東行庵そばの茶房「しみず」に3時前に届けた。レジの横に「しんあい農園の卵でつくりました」と張り紙があり、クッキーがならべてあった。疲れが飛んでしまうほどうれしい気持ちになった。

美祢では猪肉を買いに猟師の家を訪ねた。たくさん軽トラが集まり喧々囂々の話し声が聞こえた。「酒でも飲みよのか」と聞いたら、しとめた猪の分配方法で猟友会がもめているとか。犬を提供している猟師と身体ひとつで来る猟師とでは差をつけようという。「昔はおだやかじゃったけれど肉に買い手がつきはじめてもめ事が多くなった」74歳の猟師は嘆いていた。

05/03/17(水) 19:15 足立 進(JAG07563)


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