六さん 平成17年5月13日 しんあい農園日記


山本祥弼(しょうすけ)さんは、高校の事務職時代に宇部掃除の仲間になり、夜中にこっそり学校の便器を磨きはじめた。退職までに「全部磨いたでよ」

わたしが宇部のお掃除にわかれをつげて農園の仕事に懸命になってしばらくして、山本さんは宇部掃除から離れられた。以後、毎週金曜には早朝から草刈機をかついでこられ、長い時間農園周囲の草刈りをされる。最初は、得にならない汗をかく姿を地域の人から「変人」扱いされていたけれど、いまは誰もそれを言う人はいない。みなさんが通る道路まで刈り込んでおられるから。

この5月、わたしの神社トイレ「ひとり掃除」は12回を終えた。神社をはじめたころ「一緒にやらんかね」とお誘いしたら「いや、掃除はやっぱりひとりがええからの」とかわされた。

昨年、ホンダの草刈機をプレゼントしたら固辞された。「これはお接待ですから」と言うと笑顔で「ありがとう」と受け取られた。草木をはじめ昆虫や小動物を草刈り中に殺してしまうことについて、はじめる前にこれから刈る場所に頭をたれて合掌される。今朝も、祥弼さんの草刈り音が響いた。

お寺通いが楽しみな祥弼さん。「鍵山先生は菩薩でよ!」とよく申される。そんな姿勢を見せていただくにつけ修行の「行」のように思いはじめている。

それは伝えようとする「運動」の裏腹であり、伝わらずとも、どこまでもご自分の生き方としての行為である。草刈りは農園周囲だけではなく、各地に出向いて名前も告げずにされているとうかがっている。

新潟震災の炊き出しに出る前、松村御大は「ええか、マスコミに言うなよ」とわれわれをまとめられた。よい先輩に教えていただくことは多い。

05/05/13(金) 20:44 足立 進(JAG07563)


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